大きく波打つ庇が目を引く外観、窓に貼り出された多彩なメニュー!
目指した店というのは、これ! 「レストランKEN」。この店構え、そそらずにはいられないでしょう!? 嫌でも目を引く、この大きく波打つ庇。おまけに窓に貼り出された、メニューの多彩さと来たら、どうですか。
ところがここ、メインはケータリングにしているようで、13時過ぎに入ろうとしたのにお母さんから「あの〜、今はちょっと」と断られ掛けてしまった(汗)。配達の注文が殺到していたんでしょう。でもシェフの方が、「あ、いい。大丈夫ですよ」と言ってくれた。ちょうど調理の合間だったんでしょうか。タイミング、よかった。ラッキー
ナポリタンは、濃厚な味付け 「あぁ、美味い」
これだけメニューがあると迷いますが、最初からもう決めていた。ナポリタン(1000円)を注文。初めての洋食屋ではこれ、よくやります。そもそもナポリタン、昔っから大好きなんですよねぇ。と、言うより子供の頃は、スパゲティと言えばこれしかなかった。
出てきたのは、これです。さすがに子供の頃のように、ケチャップをそのままぶっかけ、ではなかった。オリジナルのソースをパスタと絡めてました。
濃厚な味付けで、あぁ、美味い。香ばしい。またこのどっさりのハムと、タマネギ、どうです。ピーマンもたっぷり。いやぁこれは食が進みますわ。割り箸も出してくれたけど、そんなの使う間もなくフォークでガツガツ平らげてしまいました。
食べている間に、配達担当らしい若い店員さんが続々帰って来て、「あそこはオリンピックの専用レーンが出来てるから走れない」「あそこは右折禁止になってるからこう回り込まないと」などと情報交換してる。ケータリングの店に来たおかげで期せずして、競技場からはちょっと離れていても自然とイベントの非日常を追体験することになりました。
57年前の東京オリンピック選手村 女子食堂の料理長を務めたホテルニューグランド総料理長、入江茂忠
後で調べてみたら東京オリンピックと、ナポリタンにもご縁があったことも判明。そもそも日本発祥の料理で、最初に作ったのは横浜のホテルニューグランドの2代目総料理長、入江茂忠氏だったとされる。
ところがこの入江氏、前回の東京オリンピックの時に選手村の女子食堂で料理長を務めていたのだ。ナポリタンの考案者があの時、世界中から集まった選手やコーチらを自慢の料理で持て成していたなんて。何かしみじみ、深ぁ〜い話だと思いません?
とは言えここレストランKEN、メニューは他にもたっぷりある。店を出る時お母さんから「さっきはゴメンなさいね。またいらして下さいな」と声を掛けてもらいました。はい、もちろん。絶対また来ますっ!
「レストランKEN」の店舗情報
[住所] 東京都渋谷区代々木1−45−7正和ビル1階
[電話]03-3375-9683
[営業時間]9時~14時、16時半~20時45分
※新型コロナウイルス感染拡大の影響で、営業時間や定休日は異なる場合があります。
[休日]不定休(原則日曜休)
[交通] 小田急線南新宿駅から徒歩約3分、JR中央線・山手線代々木駅西口から徒歩約5分
西村健
にしむら・けん。1965年、福岡県福岡市生まれ。6歳から同県大牟田市で育つ。東京大学工学部卒。労働省(現・厚生労働省)に勤務後、フリーライターに。96年に『ビンゴ』で作家デビュー。2021年で作家生活25周年を迎えた。05年『劫火』、10年『残火』で日本冒険小説協会大賞。11年、地元の炭鉱の町・大牟田を舞台にした『地の底のヤマ』で日本冒険小説協会大賞を受賞し、12年には同作で吉川英治文学新人賞。14年には『ヤマの疾風』で大藪春彦賞に輝いた。他の著書に『光陰の刃』『バスを待つ男』『バスへ誘う男』『目撃』など。最新刊は、雑誌記者として奔走した自身の経験が生んだ渾身の力作長編『激震』(講談社)。
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