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ラジオ放送中に「試合がどうなっているか、テレビ観て来て!」

現在ではサッカーにその座を奪われつつあるかも知れないが、昭和の時代、もっともポピュラーだったスポーツは野球だったと思う。2021年、野球人として長嶋茂雄さんが初めて文化勲章を授与された。野球というスポーツを団塊の世代の少年たちに知らしめたその功績は大きい。4番サード、長嶋は野球という世界だけでなく、世の中を明るくする存在だった。

大滝詠一も大の野球ファンだった。ラジオ番組にゲストに招く。それが野球放送の時間だとスタジオから声が掛かる。“岩田クン、ちょっと今、何回で試合がどうなっているか、事務所のテレビ観て来て!”とよく命じられたものだ

はっぴいえんど時代、ファースト・ソロ時代から大滝詠一のファンだった方は『A LONG VACATION』(1981年)の大ヒット以前のライヴを覚えていると思う。ステージにバットとボールを持ちだして客席にノックする。野球好きらしい聴衆サービスだった

そう言えばプロ・サッカー選手の手前まで行き、故障で夢を断念したロッド・スチュアートはステージからゴムでできたサッカーボールを蹴り出してファン・サービスしていた。ライトアップされ、ショー化したステージも良いが、大滝詠一やロッド・スチュアートのような手作り感たっぷりのステージも楽しいものだ。

1981年のアルバム『A LONG VACATION』(中央上段左)と84年の『EACH TIME』(同右)。『EACH TIME』を最後に、2013年に亡くなるまで、新たなオリジナル・アルバムが作られることはなかった。「クリスマス音頭」が収録された『NIAGARA CALENDAR』(右から2枚目)

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岩田由記夫
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