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「ロックンロール的な行動こそ真の民主主義」

2021年は衆議院選挙があり、2022年には参議院選挙がある。低投票率が指摘されてかなりの時間が経つ。とりわけ、若年層の低投票率が目立つ。清志郎は、選挙投票をするのもロックンロールだと言っていた。

“ロックンロールのライヴをやるにはお客さんが必要だよな。お客さんが多ければ燃えるよね。選挙もライヴなんだよ。もしかしたら音楽より大切かも知れない、生きるためのライヴだと思う。そこへ投票するっていうのはライヴに参加して盛り上がる、生きているってことを実感することなんだ。投票先が無いって言う奴がよくいるけど、選挙は支持する人に投票するためでなく、支持しない、落選させたい奴を落とすためでもいいんだ。そういう奴の対立候補に入れるだけでも意味がある。ロックはアナーキーとかいう奴もいるけど、ロックンロール的な行動こそ真の民主主義なんだぜ。オレみたいな奴がどんどん増えれば、権力を笠に着て好き放題やってるこの国のクソッタレ政治家は少なくなると思うね。いいか、投票は武器でロックンロールなんだって言いたいね”

実際、清志郎はラフィータフィー名義で発表した2000年のアルバム『夏の十字架』で「目覚まし時計は歌う(選挙ソング)」という投票を勧める曲も残している。自分が思ったことを素直に生きる証である音楽作品に反映させる、そういったミュージシャンが日本にはあまりにも少ないことも嘆いていた

“誰に遠慮しているか知らないし、皆が皆、オレみたいになって欲しいとは言わないけど、オレよりもっと売れてる人たちが、声をあげる。それだけでも投票率は上がるだろうし、日本もより良い方向に変わるんじゃないかな。ロックンロールするってのは、社会にただ反逆するだけでなくて、社会を変えることもできるって、オレは思うんだよね”

岩田由記夫(いわた・ゆきお)

1950年、東京生まれ。音楽評論家、オーディオライター、プロデューサー。70年代半ばから講談社の雑誌などで活躍。長く、オーディオ・音楽誌を中心に執筆活動を続け、取材した国内外のアーティストは2000人以上。マドンナ、スティング、キース・リチャーズ、リンゴ・スター、ロバート・プラント、大滝詠一、忌野清志郎、桑田佳祐、山下達郎、竹内まりや、細野晴臣……と、音楽史に名を刻む多くのレジェンドたちと会ってきた。FMラジオの構成や選曲も手掛け、パーソナリティーも担当。プロデューサーとして携わったレコードやCDも数多い。著書に『ぼくが出会った素晴らしきミュージシャンたち』など。 電子書籍『ROCK絶対名曲秘話』を刊行中。東京・大岡山のライブハウス「Goodstock Tokyo(グッドストックトーキョー)」で、貴重なアナログ・レコードをLINN(リン)の約350万円のプレーヤーなどハイエンドのオーディオシステムで聴く『レコードの達人』を偶数月に開催中。

岩田由記夫
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