えのきたけのなめたけ瓶詰めふうの作り方。
作り方は簡単です。えのきたけを食べやすく切り、酒、しょうゆとともに炊く(煮る)だけです。 しかし、仕込むうえでは、えのきたけを「ざっくり割く」か、「できるだけ細く丁寧に割く」かで、下ごしらえの時間が大きく変わります。
えのきたけは、石づきに近い根元ほど密接しています。上部は包丁で切るだけで、1本1本がぱらぱらとほぐれますが、根元に近い部分は「かたまりの状態」で、切っただけではばらけません。
オイラは「さけるチーズ」を割く要領で、できるだけ細くしています。1パックのえのきたけの下半分をていねいに割くと、それだけで10分はかかるイメージです。この点だけは、唯一の難所かもしれません。 作り方をご紹介いたします。
●えのきたけのなめたけ瓶詰めふう、仕込み編
1)えのきたけは、3パック(1パックおよそ200~250g)を用意する。
2)洗わずに根元に近い石づきの部分(オガクズのある部分)を3~4cmカットする。
3)石づきを除いたなめたけは、さらに上下半分にカットする。※この段階でえのきたけ1パックは、180~200gちょっとに。3パックで500~600gほどとなる感じです。
4)カットしたえのきたけの上半分はほぐれているが、根元に近い下半分は密接しているので、できるだけ丁寧に割いてこまかくほぐす。※3パックなら20~30分はかかると思います。
5) 鍋にたっぷり水を入れ火にかける。沸騰したら、ほぐしたえのきたけを入れる。
6)しばらくすると、えのきたけから白いアクが出てくるので、スプーンなどでできるだけ取り除く。沸騰したら火を止める。※吹きこぼれないように注意しましょう。
7)鍋のえのきたけをザルにあけ、水で洗ってぬめりをとり、10分ほどザルのまま水けをきる。
※オイラの作り方は、上記6)7)のように、えのきたけを下ゆでしてから味つけしています。独特のきのこ臭をおさえるためです。もちろん、下ゆでなしですぐに味つけ調理されても大丈夫です。えのきたけの風味が活きた濃厚な味わいとなります。その場合は仕込み編6)7)を飛ばして、調理編へお進みください。
●えのきたけのなめたけ瓶詰めふう、調理編
8)煮汁を作る。鍋に酒100mlを入れ加熱し、アルコール分を少し飛ばしてからしょうゆ大さじ4(60ml)を加え、沸騰したら火を止める。
9) 煮汁の鍋に水100mlを注ぎ加熱し、市販のだしパック1袋(8g)を入れ、下処理したえのきたけを加える。※オイラは「茅乃舎だし 焼きあご入」を使っています。
10)火は中火。菜箸などで混ぜながら、煮汁を全体になじませる。沸騰してきたら2~3分、火を強めにして水分を飛ばす。※鍋底が焦げつかないよう火加減は調整しましょう。
11)仕上げにみりん大さじ2(30ml)と、酢大さじ1(15ml)を加え、全体をまぜて出来上がり。
12)ガラスボウルなどにあけ、2~3時間置いて味をなじませる。
※経験上、1週間以内に食べきりましょう。えのきたけ3パックでの仕上がり量は400~450gでしょうか。容量100gのガラス瓶なら4つはできる感じです。保存する瓶は熱湯消毒してから使いましょう。また、冷凍保存する場合は、ジップロックなど冷凍保存袋に入れてから冷凍するのがよいと思います。
文・写真/沢田 浩
さわだ・ひろし。書籍編集者。1955年、福岡県に生まれる。学習院大学卒業後、1979年に主婦と生活社入社。「週刊女性」時代の十数年間は、皇室担当として従事し、皇太子妃候補としての小和田雅子さんの存在をスクープ。1999年より、セブン&アイ出版に転じ、生活情報誌「saita」編集長を経て、書籍編集者に。2018年2月、常務執行役員パブリッシング事業部長を最後に退社。