魚の生姜焼き、最初はサバではなかった!
メニューは「厚切り豚の生姜焼き」、豚ロースと豚ほほ肉を使った「豚の生姜焼き」から、珍しい「鶏の生姜焼き」まで、白めしゴコロをくすぐる、生姜焼きパラダイス!
そして、めくるめく肉々しい世界の中で渾然と輝く「鯖の生姜焼き」!
なぜサバか、といえば、日本初の生姜焼き専門店が掲げたコンセプトは「肉も魚も生姜焼き」だったからだ。
「1ヵ月に1回、ではなく、週に何度かお越しいただけたらと思って。そのためには肉だけではなく、お魚もあったほうがいいのでは、と考えました」と神崎さんが説明する。
そこで選ばれたのは! 神崎さんから意外な発言。
「サケでした」。
当初はサバではなく、「サケの生姜焼き」だったのだ。
「でも」と神崎さんが続ける。「あまりオーダーがなかったんです」。サケの生姜焼きは、美味しいにもかかわらずお客さんの反応がイマイチだったのだ。何か変わりになるものはないかと、さまざまな魚で、試行錯誤を重ねた。
「生姜焼きの味が濃いので、白身魚が合うかなと思って試しました。美味しいんですけど、なんだかたんぱくすぎてパンチがないというか……」。
そこで浮上したのが、われらがサバ。
「バツグンの美味しさでした!」と笑顔で語る神崎さん。
やっぱり!
「どの魚もそれなりに美味しくなりましたが、食べ比べるとサバがダントツ。肉に負けない力強さがあって、圧倒的な美味しさでした」(神崎さん)。
かくして、味付けに工夫を重ねて「鯖の生姜焼き」を完成させた。提供をスタートしたところ、リピーター続出。噂を聞きつけたサバファンも訪れる人気メニューになった。