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京都府北部の綾部市に近年発見された植物の群生地があるという。それがミツマタとシャガの群生地だ。 春に満開となる花々の魅力を紹介したい。

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森一面に広がる幻想的な花々を求めて

風がゆるみ、徐々に陽光が力を増すこの季節。冬眠から目覚めたってわけじゃないけど、思いっきり手足をのばせるフィールドへ出かけたい、と思うのは私だけじゃないはず。

そこでおすすめしたいのが、「海の京都」の里山エリアと言われ、素晴らしい山々や森が広がる綾部市。自然の魅力を感じながら歩くトレッキングだ。

海の京都とは?

日本海に面する京都府北部地域(福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)は、古代より大陸との交流の玄関口として栄え、多くの神話の舞台となった「もうひとつの京都」。

魅力的なコースはたくさんあるが、今回はその中でもこの季節だけのとっておきスポットをお伝えしてしまおう。綾部市の一番東、水源の里・老富(おいとみ)地区にある“神秘の森”「ミツマタとシャガの群生地」だ。

発見されたのは2015年とわりと最近のこと。ミツマタは真黄色の小さな花がハチの巣のように集まって、半球を描くように咲くかわいい花。森の入り口から木漏れ日の中を歩いていくと、突然、一面を埋め尽くす黄色い可憐な花畑が現れるのだ。

真黄色のボンボンのような花をつけるミツマタ。樹皮は和紙の原料にもなる。背丈は身長より高くなるため、黄色いトンネルをくぐるようでもあり、甘い香りにも癒される。見ごろは 3 月下旬から 4 月中旬くらいまで。

そしてミツマタと入れ替わるように、 4 月下旬になると咲き誇るのがシャガ。

シャガは冬でも枯れない常緑性の多年草。白地に黄色と紫の模様が入った美しい花で、斜面を覆う絨毯のように純白の花が咲き乱れる様子はまさに神秘的だ。

このミツマタとシャガの群生は全国でも類を見ない規模で、そこへ入っていくと“天国”に来たかのごとくの錯覚を味わえるのだ。幻想的な花畑で遊んだあとは、帰り道に国宝「光明寺二王門」にも立ち寄りたい。

森の中に佇むベンガラ色が鮮やかだ。最後は「あやべ温泉」で汗を流せば言うことはなし。のびのびと一日、春の綾部ならではの豊かなひと時を満喫しよう。

ミツマタとシャガの群生地

京都府綾部市老富町在中
☎0773-42-9550(綾部市観光協会)

料金/運営協力金200円(1名様)

見頃/ミツマタ=3月下旬~4月中旬、シャガ=4月下旬~5月中旬(※気温の状況により前後します。開花状況はお問い合わせを)

アクセス/【自動車】国道27号「山家」交差点から府道1号に入り、福井県境まで直進。駐車場あり。新型コロナウイルス感染症の拡大状況等によっては閉園する場合があります。

他にも見どころがたくさん!綾部で訪れたいスポットはココ

●国宝・光明寺二王門

木立の中に突如現れる鮮やかな朱塗りの建造物。聖徳太子の創建と伝わる光明寺に、宝治2年(1248年)に建立された山門で、京都府北部の建造物では唯一の国宝である。屋根は全国的にも珍しい栗の栩葺(とちぶき)だ。

京都府綾部市睦寄町君尾1-1

☎0773-55-0550


●あやべ温泉

日帰り入浴もできる天然温泉。温泉成分が豊富で“美肌の湯”とも称される。サウナや多種類の生薬を配合した薬湯、広々とした眺望が開ける露天風呂も人気だ。

京都府綾部市睦寄町在ノ向10 ☎0773-55-0262 休毎月第2・第4月
(祝日の場合は翌日休)

隣接する二王公園には、迷宮二王門迷路もオープン。BBQやキャンプができる設備も整っている

●あやべ特産館

新鮮野菜や農産物加工品、和菓子や工芸品、伝統の「黒谷和紙」で作られた雑貨など、地元綾部産にこだわった特産品が揃う。綾部が発祥の地である「グンゼ」製品が揃っているのも面白い。

京都府綾部市青野町亀無1-2 ☎0773-43-0811 休火(祝日の場合は翌日休)

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おとなの週末Web編集部
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