由来には諸説あるようで……
【答え】
(1)赤(ピンク)、白、緑の三色を用いる。並びは串の先からこの順に並べる。
花見団子の色と配列は伝統的に決まっていて、串先から赤(ピンク)、白、緑の順に並べます。
その由来には諸説ありますが、いくつか代表的なものをあげます。(参考[1])
(1)春の情景を表すとする説
雪(白)に包まれ新芽(緑)が芽吹くなか、桜の花(ピンク)が咲いている様子を表している、とする説があります。
また、空には太陽(赤)、大地には残雪(白)、雪の下では新芽(緑)が芽吹いているという、雪解けの大地の情景を表すとする説もあります。
いずれにしても、春の息吹を感じさせる風情のある情景ですね。
(2)縁起の良い色を集めたとする説
『赤(ピンク)』は紅白の紅で、運気を上げるとされます。『白』は紅白の白で、清浄を表し邪気払いの力があるとされます。『緑』はヨモギの色で、やはり邪気を払う力があるとされます。
このようにおめでたい色を組み合わせた縁起物だとする説があります。
ただしこの説ではなぜ赤・白・緑の順番なのかは定かではありません。
(3)ひな祭りの「菱餅」の色と配列にならったとする説
お花見と同様、春の風物詩であるひな祭り。花見団子は、ひな祭りに飾る「菱餅(ひしもち)」の色と配列にならったという説もあります。
ただし菱餅は、江戸時代初期には、緑のヨモギ餅と菱の実を混ぜた白い餅の2色だけで、明治時代になってクチナシの実を入れた赤が加わり3色になったという説があります。
もしそれが事実だとすると、豊臣秀吉の時代が発祥とされる花見団子が菱餅にならったとする説は成り立たないかもしれません。
(4)季節を表すとする説
『赤(ピンク)』は桜の色で「春」、『白』は雪の色で「冬」、『緑』は新緑の色で「夏」を表している、とする説です。
秋がないのは、「飽きない」と「商い」にかけて、「飽きが来ず商売が繁盛する」という意味に通じるとされます。
とてもユーモアのある説です。
このように、花見団子の色と配列には決まりがありますが、その由来については諸説あり、定まっていないというのが実状です。しかし、言葉と同様に、伝統や文化も時代とともに形や意味が変化して行くもの。真偽は別として、それぞれの説が持つ意味合いや風情を楽しむのも、花見団子の一つの味わい方と言えるかもしれません。
(参考)
[1]「お花見団子の三色の意味は?」(一般社団法人 日本和食卓文化協会)
https://www.nihonwasyokutakubunka.com/column/cat03/21