コロナ禍において、リモート勤務が続いたおかげで、ゴロゴロとポテチ生活の方も多いのではないだろうか? かくいう私はフリーランスなので、コロナ禍の前とたいして変わらない生活をしているのだが、どういうわけか時流に乗ってもれなくコロナ太りの一員に。
そこで、ただ美味しいだけではなく、食べてダイエットになる、かつ、栄養も取れるツマミはないのか。「その前に運動すればいいのでは?」という正論もあるけど、とにかく私は都合のいいツマミを求めて何百メートルもあるだだっ広い会場を行ったり来たりしているうちに、国内各地のおらが町や村の商品がPRされている「全国食品博」エリアへと突入した。
罪悪感のないつまみ1 ポテチやめてキクイモチップス派に
小さな「世界農業遺産にし阿波」ブースの前を通ると、役場の職員さんから「キクイモチップス、いかがですか~」と声をかけられた。徳島県西部地方の4地区の行政が共同で出展しているという。
焼き立ての餃子やソーセージの匂いが会場内に漂う中、キクイモは正直なところ、ちょっと地味な食材である。しかし無類のキクイモ好きにとっては、振り向かずにはいられない。キクイモとは、生姜のような形をしたキク科の北アメリカ原産の小さなイモで、あまりスーパーでは売られていないかもしれないが、道の駅などではたまに見かける。
「なんだイモか」と侮ることなかれ。キクイモは低脂質・低糖質でダイエット食としても注目されている上、血糖値の上昇を抑えてくれる水溶性食物繊維のイヌリンが豊富な食材として、常備食にぴったり。生でも食べられ、茹でればホクホク。
一方、生のイモではなく便利な乾燥のキクイモチップスは、直接、食べてみたこともあるが、どうしても泥臭く堅いので、我が家ではもっぱら味噌汁用である。茹でればシャキシャキとした食感が楽しめるし、お酢に漬けて冷蔵庫で放置してけば1日後には食べごろだ。
しかし、阿波ブースの職員さんが「徳島の美馬つるぎ菊芋栽培加工研究会のチップスは無農薬ですし、丁寧に洗浄されているので。地元のおばあちゃんたちはこのままバリバリ、おやつに食べてますよ!」と力説するので、思い切って1枚、齧ってみれば臭みもなくパリパリで柔らかい!
ポテトチップスほどの強烈なパンチはないが、素朴で地味な味わいに長く付き合っていけそうな予感がする。ただ、キクイモ好きでなければゴボウのような後味が少し気になるかもしれない。
そこで、チップスに塩を振り、オリーブ油を垂らしてレンジで温めてみてほしい。ゴボウのような香りも飛ぶし、温めれば柔らかくなり食べやすくなる。いただいたキクイモチップスでいろいろチャレンジした結果、私が一番、ハマった食べ方だ。
これは日本酒のあてにいいんじゃないか、とか何とか言ってひとりでバリボリ食べていたら、あっという間に一袋が空に。いくら食べても罪悪感がないキクイモチップス、うちでは常備つまみとしてストックされています。
■美馬つるぎ菊芋栽培加工研究会「乾燥キクイモチップス」
50g1袋で400円~500円程度。ネットで検索を。