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市販の漬け物はおいしいが、添加物が多い

オイラはもともと漬け物を買っていました。デパ地下、スーパーには実にさまざまな漬け物が並んでいます。原材料や添加物にも敏感な昨今、昔からの作り方に近いものが増えてきたのはうれしいのですが、なす漬けに関してだけは、いっこうに添加物が減りません。

その理由を想像すると、問題は「なすの色落ち」にありそうです。なすの美しい紫色はアントシアニンと呼ばれる色素成分。体の「さび」を防ぐ働きをするポリフェノールのひとつですが、切ったり、塩で揉み込んだりしたあとは、空気に触れるだけで色が変わってしまいます。もちろん防止策もあります。たとえば、料理の際に油で炒めたり揚げたりすることでも色落ちは防げ、食欲をそそる色あいになります。

なすは切り口が空気に触れると色が変わりやすいが、油で揚げると簡単に色止めできる

しかし、なす漬けの場合は塩で揉み込むので、みるみる色が茶色に変わってしまいます。つまり、おいしそうに見えなくなるのです。ご商売の漬け物としては商品力が落ちるのでしょう。そこで、色落ち防止のために用いられるのが「ミョウバン」です。漢字では「明礬」と書きますが、その“本名”は硫酸アルミニウムカリウムという化学物です。色落ちを防止する色止め剤ということで「生うに」にはかなりの確率で使われています。そして、市販のなす漬けにもほぼ使われているのです。

実際、市販のなすの漬け物はミョウバンの働きで見事な紫色をしています。害はないとされますが、苦みが増すともいわれています。ただでさえアクの多いなす。色落ちを防ぐためとはいえ、「苦みを増やしてどうするの?」というのがオイラの素朴な疑問です。以来、オイラのなす漬け修業が始まりました。まっ、年に数回、小なすを漬けるだけですが……。

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なすの色落ちは「鉄分」を加えて防ぐ...
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沢田浩
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