2020年から始まった、栃木県鹿沼市のご当地グルメ「かぬまシウマイ」。市内の飲食店で提供される中、地元のスーパー『ヤオハン』でもオリジナル焼売を開発・販売しています。一体どのような焼売なのか。そして、どれくらい人気なのか。調査しました。
画像ギャラリー鹿沼の新名物「かぬまシウマイ」を開発
2020年から焼売で街おこしをスタートさせたのが、栃木県の鹿沼市。宇都宮市のすぐ隣にあり、車でも30分ほど。イチゴとニラが特産品で、ゴルフが数多くあることで有名だ。加えていうなら、特産品などを販売する「まちの駅」が日本一多いとか。
そんな土地でなぜ焼売? その疑問、ごもっとも! 理由は宇都宮餃子に対抗……、ではなく意外や意外、「シウマイ弁当」でお馴染み『崎陽軒』の創業者の出身地だからなのだ。そのため名称も“焼売”ではなく、崎陽軒スタイルの“シウマイ”が正式。
商工会議所が中心となったこの取り組みに、街にある飲食店が次々に参加し、今では60ほどの店でオリジナル焼売、もといシウマイを打ち出している。
その街おこしに鹿沼を中心に10店舗を構える、ご当地スーパー『ヤオハン』も協力して自社でシウマイを開発した。
王道だけじゃない進化系もラインナップ!
惣菜コーナーへ行ってみると、ひときわ目を引くのが、シウマイコーナー。王道の蒸しに加えて、揚げ、両方入った弁当に、さらにはシウマイドッグなるものも販売しているではないか!
まずはスタンダードな蒸しシウマイを食べてみると、豚肉のコクや玉ねぎの甘みのバランスが絶妙。王道一直線で、特に変わったところはないけれど、次々と食べたくなる不思議な旨さがある。しかも大粒ってところも、おかずやおつまみに、ちょっとうれしくなるサイズ感だ。
「オリジナルのシウマイを開発したのが、1年半ほど前です。各店の惣菜コーナーの担当者を中心に、多くの社員で試食を繰り返して、お子様でも親しんでもらえるような優しい味わいに仕上げました」(ヤオハン担当者)
そんなシウマイの味は、アレンジにも向くのだとか。例えば、酢豚やエビチリ風にしてもいいし、チーズと合わせても相性抜群。
そこで前述したシウマイドッグなのである。キャベツの千切りの上にジャンボサイズの揚げシウマイがドドンと2個。
さっそく頬張ると、瑞々しいキャベツの食感に、香ばしく揚げたシウマイ、さらにふんわりしたパンが、想像を超えた名トリオ! 別添えのケチャップソースともピタリと合う。あえて個性をなくし、王道を突き進んだ理由に納得した。
このシウマイのおかげで、各店の惣菜コーナーでは、売り上げを伸ばしているとか。ふと思い出すと食べたくなる、そんな美味しさだ。
さらに、冷凍コーナーへ足を運んでみると、シウマイ専用のコーナーもあり、人気の高さが伺える。
もちろん、保冷バッグも販売しているので、旅のお土産としても優秀だろう。
取材/菜々山いく子 撮影/小島 昇
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