シワや皮膚のたるみにつながる
「糖化」はメイラード反応
糖分は人間が活動するのに必要なエネルギー源ですが、利用されなかった過剰な糖分は体温での加熱によりタンパク質と結びつきます。これがメイラード反応で、その最終形は強い毒性を持つ終末糖化産物(AGE:Advanced Glycation End Products)です。
AGEはひとたび生成されると体内で分解されることはほとんどなく、次第に蓄積されていきます。これがいわゆる「糖化」で、シワや皮膚のたるみなどの外見上の老化だけでなく、心筋梗塞、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、白内障などさまざまな疾病の原因となります。なお、メイラード反応は、肉が焼けたときや味噌が熟成したときに褐色に変色する反応で、これが「糖化は体のコゲ」と言われるゆえんです。
「酸化」は酸化反応
酸化反応とは、対象とする物質が電子を失う反応ですが、体内ではおもに酸素と化合する反応です。鉄が錆びたり、皮をむいたリンゴが茶褐色に変色したりするのが酸化反応で、これが「酸化は体のサビ」と言われるゆえんです。
酸化力の強い「活性酸素」や「フリーラジカル」(両者は重なる場合も多く混同されがちですが、同一のものではありません)の作用で脂質などの体内の物質が酸化され、劣化したり有害な物質に変化し、細胞や組織障害、老化などの原因となります。活性酸素は細胞伝達物質や免疫機能としての働きもある不可欠な物質ですが、過剰な産生は上記のような障害の原因となります。