『おとなの週末Web』では、手作りの味も追求していきます。そんな「おとなの週末」を楽しんでいる手作り好きから、折々の酒肴を「季節の目印」ともいえる二十四節気にあわせて紹介しています。「秋分」の19回目。いよいよ出回り始めた新落花生を塩ゆでにしてみました。
生の殻付き落花生を見つけたら、ぜひ塩ゆでに
「この手づくり記事は、とても手間のかかるものが多いですね……」
とある知人の読者から、最近そんなメッセージをいただきました。
たしかにそのとおりでした。ここ2回を振り返っても、「ゆず胡椒」(18回)、「いかの塩辛」(17回)と、手間が半端なくかかりました。特にいかの塩辛では、熟成させたり、冷凍したりで、完成までが5日がかり。暇なジジイの趣味の手作りとはいえ、大変申し訳なく思っております。
この連載の趣旨は、かの牛丼と同じく、「うまい、やすい」を目標にしておりますが、もうひとつの「早い」については、実際できておりません。その反省から、今回は超簡単がテーマです。はい。「ゆでるだけ」の手作り酒肴を紹介させていただきます。
折しも「秋分」(しゅうぶん。今年は9月23日から10月7日まで)。古くからの生活暦である二十四節気の一つですが、日の出は真東から上り、日の入りは真西へと沈む季節の節目です。つまり、昼夜の長さは等しく、以降は夜の訪れが日に日に早まります。まさに、「秋の日は釣瓶(つるべ)落し」となるわけです。
そんな秋分の頃に出回るのが落花生です。落花生……要するに殻付きのピーナッツですね。煎ったものがいつでも手に入りますので、ここでは新落花生と呼びますが、こちらは煎られていない生のもの。秋分の前後から10月くらいまでという秋だけの味覚です。
オイラは、この新落花生の塩ゆでが大好物。これで、秋を嚙みしめているのです。世間で秋の味覚と言えば、「サンマ、栗、松茸」でしょう。それが、オイラの手づくり連載では、「スルメイカ、青ゆず、落花生」となりました。早い話、オイラの好物を出回り順に紹介したまでです。好き勝手させていただいており、感謝するばかりです。