『とんかつ三矢』 @千駄木 ラード100%の香ばしさに寄り添う豚の旨み
とんかつと一品を欲張りに味わう
こんがりと色よく揚がったかつを頬張れば、パン粉がピンと立った衣からあふれ出す、えも言われぬ香ばしさに空腹の胃袋を掴まれた。これだよ、これ!
と膝を打つストレートな旨さの理由、それはまず揚げ油がラード100% で甘みも風味もパワフル。加えて秋田県産の「桃豚」には、クセがなくおだやかなコクがある。
上ロース定食 1800円
皿の上で衣と豚が手を取り合ったバランスの妙に唸るはずだ。卓上には塩もあるけれど、このとんかつにはやっぱりソースが抜群に合う。
さらに品書きで気になるのがポークソテー。オーブンでふっくらと焼き上げたロースからほとばしる肉汁と濃いめのソースが、くるおしいほどご飯を呼ぶ。
加えてカツ丼にカツカレー、さらに半熟とろ~りの卵フライなどの単品の揚げ物も手招きし、2度、3度と通わずにはいられない。こんな店が身近にあるなんて、ご近所の方がうらやましい。
【ここにこだわっています!】秋田県産の十和田湖高原ポークSPF「桃豚」を使用。かぶりつけば、繊維の奥から肉汁がじゅわっと溢れるほどみずみずしく、あっさりとした味わいで食べ飽きしない
[住所]東京都文京区千駄木2-43-3
[電話]03-5842-1191
[営業時間]11時~22時(フード21時、ドリンク21時半LO)
[休日]無休
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅1番出口から徒歩3分
『米とひなた』 @東武練馬 高コスパの豚肉と羽釜ご飯が自慢
やきとんの人気店がとんかつに参戦!
東京・板橋区を中心に10店舗を営む『やきとん ひなた』のとんかつ専門店。豚ホルモンを扱っている関係で豚肉の流通に顔が効くため、その都度状態のいいものを仕入れられるのが強みだ。
2022年1月にオープンしたが、8月に1ヶ月間の休業を経て9月に再開。銘柄豚から国産豚肉に変更し、やや価格を抑えたというが、うっすらピンク色が残るヒレカツは、ジューシーでやわらかい。
ロースカツとヒレカツ定食 1749円
ロースカツは肉の旨みが濃厚で、脂身も甘く、レベルの高さを実感する。これが1000円台なのはコスパが超高い!
肉の下処理やキャベツの千切りなどをやってくれる『やきとんひなた』のセントラルキッチンがコスト削減に貢献しているのだ。そして、店名にもあるように、羽釜炊きのご飯がもっちりとして美味。甘みがじんわり広がり、ご飯が進む。ぜひ、やきとんの店のようにもっと店舗を増やしてほしい!
【ここにこだわっています!】軽い揚げ上がりになり、甘い風味が引き立つというコーン油を使用。注文からできるだけ早く提供できるよう、何度も試作を兼ねた結果、165℃で7分揚げ、油切りを4分に
[住所]東京都練馬区北町2-37-2
[電話]03-3932-8910
[営業時間]11時~15時(14時半LO)、17時~21時(20時半LO)、土・日・祝11時~21時(20時半LO)
[休日]水
[交通]東武東上線東武練馬駅南口から徒歩1分
『丸七 門仲新店』 @門前仲町 極厚肉と卵、ソースのバランスが抜群
ブームの先駆け店に新店舗登場!
今まで見たことがないくらいの超極厚のとんかつ!しかも、カツ丼のように卵でとじたものではなく、とんかつの下に卵焼きが敷きつめられている。これが、最近耳にする“焼きカツ丼”だ。
『丸七』はブームの先駆けと言われ、本店のオープン当初は朝から列をなす人気ぶりだった(現在はテイクアウトのみ)。今も店舗が続々増えていて、ここ門仲新店は2022年7月25日にオープンした。
焼きカツ丼(特上) 2400円
ひと口かじると、特上のリブロースは口中でほろっと崩れるやわらかさ。この厚さで見事なまでの均一な火入れができているのは、下処理のときに低温調理で火を通しているから。
薄付きの衣はサクサクで、醤油ベースのタレは濃厚だがキレがいい。さらに、卓上の茎わさびを付けると、爽やかな辛味がタレの味をキリリと引き締める。一見ボリュームに躊躇するが、くどさが全くなく、ペロリと完食できるはず。
【ここにこだわっています!】豚肉は前日の夜に不要な脂身を取り除き、塩や砂糖などで下味を付けたあと、低温調理機の中へ。ひと晩かけてじっくり火を通すことで、しっとりとした肉質になるのだ
[住所]東京都江東区富岡1-14-14
[電話]03-5621-9966
[営業時間]11時半~17時(16時半LO)※テイクアウトは11時~16時
[休日]水
[交通]地下鉄東西線門前仲町駅2番出口から徒歩2分
撮影/西崎進也(tonkatsu.jp 表参道、とんかつ大希、日本橋とんかつ一、とんかつ三矢)、鵜澤昭彦(Katsuプリポー、米とひなた、丸七 門仲新店)取材/菜々山いく子(tonkatsu.jp 表参道、日本橋とんかつ一、とんかつ三矢)、井島加恵(Katsuプリポー、とんかつ大希、米とひなた、丸七 門仲新店)
※2022年11月号発売時点の情報です。
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