アメリカ、カナダでは感謝祭の伝統食
答えは(2)で、クリスマス料理として七面鳥が広まったのは、小説『クリスマス・キャロル』の影響が大きいと言われています。
七面鳥は、北アメリカ大陸のアメリカ合衆国、カナダ南部、メキシコに生息する鳥です。ニワトリと同じキジ科ですが、サイズはニワトリの倍以上もあり、オスは全長約120cm、体重は9kgに及びます(ニワトリは体重2~3kg)。メスの全長は約半分の60cm程度です。興奮すると首の部分の皮膚が赤・青・紫などに変化することが、「七面鳥」という和名の由来となっています。
アメリカでは毎年11月の第4木曜日、カナダでは毎年10月の第2月曜日が、「感謝祭」という祝日です。この日に食べる伝統料理は、パン、野菜、ハーブなどの詰め物をした七面鳥の丸焼きで、感謝祭の日は別名「七面鳥の日」とも呼ばれています。
感謝祭の由来として一般に信じられている話は、次のようなものです。
1620年、宗教的自由を求め、ピルグリム・ファーザーズという清教徒の一団がイギリスからアメリカに渡りました。しかしその年は本国から持ち込んだ種子では作物の収穫がうまく行かず、また冬の寒さが厳しかったため、多数の死者が出ました。
するとそれに同情した先住民のワンパノアグ族が、トウモロコシの種子、野生の七面鳥、衣類などを提供してくれました。清教徒たちはワンパノアグ族からトウモロコシの栽培方法なども教わり、翌1621年には作物の収穫に成功、危機を脱することが出来ました。
そこでその感謝の意を示すために、ワンパノアグ族を招いて収穫を祝う宴会を開きました。これが感謝祭の発端だとされています。ただし先住民の立場からは別の見方もあり、これが史実かどうかは議論の余地があります。なお、感謝祭はその後19世紀中ごろに、リンカーン大統領によって連邦国家の祝日と定められました。