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かつて「偏差値29」から東大理科二類に合格した伝説の東大生がいました。杉山奈津子さんです。その日から十うん年……現在は、小学生から高校生までを指導する学習塾代表として、心理学から導いた勉強法を提唱しています。その杉山さんが、受験生を持つ親に贈る「言ってはいけない言葉」と「子どもの伸ばす言葉」。近著『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』から一部を抜粋し、入学試験シーズンを前に集中連載でお届けします。

不満からの説教は「できない」という烙印を押すだけ

勉強がむずかしいと感じることに対して、親が不満を抱いて説教をしたところで、いったいなんになるでしょう。子どもは、できないことに自分でも困っているのに、そのうえ、親から「できない子」という烙印を押されるわけです。できないことを責めてしまい、自己肯定感を低めてしまうことでしょう。

何かわからない箇所があるのは、決して怒るような、悪いことではないのです。

たとえばもしあなたが、アインシュタインの相対性理論を頑張って勉強していたとします。当然、一筋縄で理解できるわけもなく、わからない箇所はたくさん出てくると思います。しかしそこで、「なんでわからないの?」と責められたら、どんな気持ちがしますか?

「むずかしいのだから仕方ないじゃない」という反発心が生まれますし、「じゃあ自分は全部理解できるの?」と、相手に詰め寄りたくなる気持ちになるでしょう。

つまずいているところを明らかにして、次の一歩へつなげる

勉強を進めていくうえで大切なのは、わからないことを責めることではなく、わからないところを明らかにすることです。

授業を聞いているとき、理解できない箇所ができてしまうと、その先へ進むことがむずかしくなります。歩いている最中に、大きな岩があって、進めないなら、その岩を壊していくしかありません。親はそのための「きっかけ」を用意してあげましょう。

まず、わからない箇所を、子どもに教えてもらいます。それから、親子で一緒に考えるか、先生に聞きに行くことをうながすかして、解決していきましょう。勉強に限らず、自分の「わからない場所」「つまずいているところ」をきちんと明らかにすることで、次の一歩を踏み出すことができます。

しかし、人間は、自分のできないところから目をそらせたくなる生き物です。ですから、親が一緒に、わからない箇所に向き合ってあげるのがいちばんです。

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おとなの週末Web編集部
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