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かつて「偏差値29」から東大理科二類に合格した伝説の東大生がいました。杉山奈津子さんです。その日から十うん年……現在は、小学生から高校生までを指導する学習塾代表として、心理学から導いた勉強法を提唱しています。その杉山さんが、受験生を持つ親に贈る「言ってはいけない言葉」と「子どもの伸ばす言葉」。近著『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』から一部を抜粋し、入学試験シーズンを前に集中連載でお届けします。

「出ていきなさい!」は子どもに無力感を与えるだけ

子どもと口論になったときに、親がカッとなって使ってしまう、この脅し言葉。これこそ、子どもに無力感を与える最大の暴言ではないでしょうか。

子どもですからお金が稼げないのはあたりまえです。家から出て行ったところで、ほかに行くあてもなく、生きていけるわけがないのです。

それを百も承知で、親は自分が有利な立場に立つために、最終手段として、言うことを聞かざるをえない状態に追い詰めるわけです。金銭面のような、子どもにはどうしようもできないことを盾にして、言うことを聞かせること自体が、おとなとして情けないことです。

そうして言うことを聞かせたところで、子どもは納得して行動するわけではありませんし、親に対して大きな不満と反発心を残したままになります。

暴論で無理やり服従させることは挫折につながる

「出て行きなさい」のほかに、「それをやったら、もう置いて帰るからね」などの言い方も、無力感を与える脅し言葉です。暴論で無理やり服従させられた子どもは、それ以上何もできず、何も言えなくなってしまいます。自分の力ではどうすることもできないという、挫折の経験を与えることになります。

「親が自分のことを理解しようとしてくれない」という気持ちから、自尊心も傷つけられます。

口論になっているときは、どちらも感情的になっており、自分のことしか考えていない状態のはずです。それならばひとまず、おとなである親が冷静になるべきです。まずは深呼吸して、子どもの立場に立ち、相手が何を求めているのかを思い浮かべてみましょう。そして、お互いどうすればいいかを一緒に考えて、ふたりの気持ちの落としどころを探すのです。

もっとも有効なのは、子どもが親の言葉を聞くと、どんなメリットがあるかを示し、やりたくなるよう気持ちを刺激することです。たとえば、家事を手伝ってほしいのに、子どもが「面倒くさいから嫌だ」と、拒否したとき、もしその子が、サッカーなど運動をやっていたならば、「身体を鍛えるついでだと思って拭き掃除か、お風呂掃除を手伝ってもらえないかな?」と提案するのはどうでしょうか。

何かを磨くのは結構な力が必要で、やり終わると意外に大量の汗をかいていたりします。「手伝いをすることで、レギュラーになれる確率が高くなるよ」というように、子どもにとってのメリットを提示してみましょう。そうすれば親は家事の負担を減らすことができますし、子どもは、身体を鍛えることができます。お互いに利益が生じるのです。

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「親はいつでも子どもの味方」という姿勢を...
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