『羽根屋』で出合った、地元民愛食メニュー
出雲そば、島根に来たら必食なのはまちがいないのですが、『献上そば 羽根屋 伝承館店』で、もう一品、島根で必食の食べ物を見つけてしまいました。
小鉢に入っていた大きめのちくわ。やけに旨くて、地元の人に聞けば、ちくわと呼ばずに『あご野焼き』って言うそうなんですよ。
アゴ……ようするにトビウオを原材料とした練り物でして、『献上そば 羽根屋 伝承館店』で食べた時は、食べてから「旨っ!」って思ったんで、アップで写真を撮ってなかったんですが、島根で泊まった旅館の朝食のビュッフェにあったんで写真を撮らせていただきました。
ちなみに写真左の赤めの練り物が、こちらも島根を代表する練り物『赤天』。赤天は前から知ってて大好きだったんですが、島根にはこんなふたつも激旨練り物があったとは! ワタシは島根が誇る練り物界の『ゴジラVSキングコング』だと呼ぶことにしました。
このあご野焼き。写真のような輪切りも充分おいしいですが、地元情報では、豪快に乱切りして食べるのがオススメだそうです。
歴史が証明! 島根のうなぎは旨い!!
さて。島根には「宍道湖七珍」という宍道湖の7つの名産がありますが、そこにも入っているのがうなぎ。関東風とは違う、蒸さずにジックリ焼き上げる、よく“関西風”とも呼ばれる“地焼き”という調理法は、なんと、出雲地方から上方に伝わったそうでして、つまり歴史的にも島根県はうなぎが旨いのである。
そんな島根のうなぎの旨い店のトップランナーが『山美世(やまみせ)』だ。
この店のある大根島は、約20万年前の噴火活動で生まれた火山島で、ビタミンやミネラルを多く含んだ熔岩水という地下水が流れているそうなんですよ。その地下水でさばく前のうなぎを数日間畜養……ようするに泥抜きする。だから旨い!!
さらに創業の大正3年から改良を重ね続けたタレ。これはもう長い時間をかけることでしか作りだせない、味わいの結晶ですよ。そのうなぎがコチラ!!
ひと口食べれば「オオォ〜うなぎィィィ!」と叫びたくなるようなうなぎの凝縮された滋養感! そして口の中を、熟成された角はないのにエッジがわかる抜群のタレとうなぎならではのまろやか脂が駆け巡り、それを追いかけるように、これまた旨い白米が甘みがやってきて、唇の先からもう食道の切っ先あたりまで、食べ物を関知する官能器官のすべてをうなぎ天国へとたたき込む!
ここで一部読者のみなさん。お重の大きさに比べて「うなぎが小さくない?」なんて思っている方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。
なんとご飯の間にもう1枚、うなぎが隠し蒸されるかのように鎮座されているのだった!
お碗はこれも「宍道湖七珍」に入っておりますジジミを使ったシジミ汁。ただただ「たまらん」圧倒される満足感でした『山美世』。
■『うなぎ処 山美世(やまみせ)』
[住所]島根県松江市八束町江島1128-10
[電話番号]0852-76-3198
[営業時間]11時〜15時(14時半までの来店・LO)
[休み]1月1日〜7日、11月16日
https://yamamise.com