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クラフトビールの人気は衰えないですね。日本各地で、その地の特色を生かしたビールが多々生まれ、ビール好きにはなんともステキな時代になりました。もちろん、京都にもクラフトビールあります! 水のいい京都らしさいっぱいの一杯。そのひとつが『Kyoto Beer Lab』のお茶ビール。

お茶とビールが出合うところ

「京都南部、和束はお茶の名産地で、一般には「宇治茶」として販売される茶葉を生産しています。地名こそ全国的にはあまり知られていないのですが品質の良さは有名。また、お茶の味わい方がいろいろとあることもアピールしたくて。そこで和束のお茶を使ったビール醸造をはじめたんです」と話すのはKyoto Beer Labの代表・村岸秀和さん。地域おこしプロジェクトなどを行うNPOを創業し、和束町では空き家再生プロジェクトやシェアハウス事業を立ち上げた経歴をお持ちです。

「地元の原材料にこだわり京都産の麦芽とホップを使ったビールを作ることもあれば、海外の醸造家とコラボすることもあります。先日はカナダの醸造家とのコラボでメープルシュガーを使ったビールの仕込みをしました」と代表の村岸秀和さん。

上質なかぶせ茶のとろりとした甘みを引出した〈かぶせ茶ホワイトエール〉、茶葉本来の香りと苦みを生かした〈深蒸し茶IPA〉、ほうじ茶と麦芽の香りが芳醇な黒ビール〈ほうじ茶スタウト〉。店のシグネチャーである3種の「CHABEER(茶ビール)」は、数百年の伝統を守ってきた茶職人との出会いがあったからこそ生まれた味わいです。

「CHABEER(茶ビール)」は左から「深蒸し茶IPA」、「ほうじ茶スタウト」、「かぶせ茶ホワイトエール」の3種類。和束産の最高級茶葉から造られる。クラフトビールの個性が凝縮。

「おいしいお茶の風味やまろやかさをビールに移すのは簡単ではなく、試行錯誤の連続でした。納得いく味に仕上げて最初に発売できたのは2014年頃。最初はOEMで生産を委託していましたが、イベントやお祭りでアピールし続けたら少しずつ知名度も上がり、自分たちのビールは自分たちの手で作りたいという気持ちがどんどん強くなりました」

茶ビールほかいくつかのクラフトビールは、ボトルでネット販売もしている。
和束のお茶の木を使ったハンドルが印象的なタップ。和束茶との出会いがきっかけでクラフトビールの世界に飛び込んだ。
鳥獣戯画をアレンジしたキービジュアル。もちろん所有する高山寺から許されている。高山寺は日本で初めて茶の木が植えられたと伝わる、お茶と縁の深い古刹だ。

2018年、ビール醸造の経験があったオーストラリア人の友人トム・エインズワースさん、NPOで一緒に活動していた友人の3人で店をオープン。造るだけではなく、フレッシュなクラフトビールを提供することにこだわり、醸造所併設の“ブリューパブ”というスタイルの店になりました。店内に入るとタップの奥には大きな醸造タンク。壁に目を向けると風味やアルコール度数の異なるクラフトビールが常時8種類オンメニューされています。

クラフトビール大好きな3人が意気投合。京都市内に醸造所併設のブリューパブを設立した。
店奥には400リットルと200リットルの醸造ステンレスタンク。早いものだとひと月ほど空になる。
「暴走ライダー」「四つの目の山羊」など、ユニークなビール名が並ぶ。
店長のおすすめのフードメニューは〈分厚い鴨ロースト〉(1,000円・税込)。厚切りの鴨肉ローストにチーズをのせて焼き、バルサミコをソースにしたジューシーな一品だ。

「海外では次々と新しいスタイルも生まれています。京都ビアラボではそんな最新情報も参考にしつつ、今ではあまり造られていない古いスタイルのビールも大事にしていきたいと思っています。クラフトビールはその自由度の高さが魅力ですね」

メダルがついているのは、インターナショナルビアカップなど受賞歴のあるビールだ。茶ビールは常時2種が用意されている。

茶ビールは常時2種をメニューに載せ、そのほかの6種は次々と入れ替えているそうで、訪れる度に新しい味に出合えるのもファンを引き付けてやまない理由のようです。

七条の木屋町通。高瀬川沿いのゲストハウスが立ち並ぶ一角で、京都流のビールは日々進化しています。

「周囲にはゲストハウスが多いんです。通りがかった人や旅行客がふらりと立ち寄れる雰囲気を大切にしたいですね」と代表の村岸秀和(左)さんと、店長の辻本大輔さん。
店の前の高瀬川のほとりには草花や樹木が生い茂る。ここで収穫したすだちをビールにするのも毎年のお楽しみだ。
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おとなの週末Web編集部
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