谷根千エリアの中心地と言うべきなのが、ここ谷中。路地や寺社、歴史に人情があり、さらにこだわりの飲食店に買い食い天国の商店街まで揃うのだ。ならば、美味をあれこれ食べながらの散策を心ゆくまで楽しみたい。そのための店、揃えまし…
画像ギャラリー谷根千エリアの中心地と言うべきなのが、ここ谷中。路地や寺社、歴史に人情があり、さらにこだわりの飲食店に買い食い天国の商店街まで揃うのだ。ならば、美味をあれこれ食べながらの散策を心ゆくまで楽しみたい。そのための店、揃えました!今回は、谷中周辺のこだわり晩ご飯をご紹介します。厳選した食材やお酒、キャリアなど、店主のこだわりを感じる店は地元で愛されている名店揃い。路地まで隈なく歩いて見つけた、とっておきの三ツ星です!
『中華 華』
熟練料理人が夫婦二人三脚でひっそりと営む本格上海料理店
ジャッジャッと煽る中華鍋の上で、海鮮が、肉が、野菜が勢いよく踊る。その手際のいい所作から、この道51年の矜持がじわじわ伝わってくる。店主の山崎さんは23歳で中国料理の道を志し、神保町の老舗で調理長を16年務めた名料理人だ。独立して25 年。4年前の70歳を機に妻の美知子さんと「夫婦のペースでやれる店を」と根津から地元・谷中に移転、可憐な花のような小さな店『華』を咲かせた。佇まいこそ家庭的だが丁寧な仕事は一朝一夕にはできない職人技だ。
酢豚(小皿) 1400円
中でも自慢は酢豚。サツマ芋とキュウリが入り、豚肉は両面に切れ目を入れるなど食感や味わいを隅々まで計算している。どの料理も基本は素材に下味を付けて調理するそうで、すると全体の味がまとまるとか。夜は予約必須。夫妻で育む路地の”華”をゆるりと楽しんで。
[住所]東京都台東区谷中3-17-11
[電話]03-3823-0692
[営業時間]11時半~14時、18時~21時(20時LO)
[休日]月・火・金
[交通]JR山手線ほか西日暮里駅から徒歩5分・地下鉄千代田線千駄木駅2番出口から徒歩6分
『エゾットリア』
店主の故郷 北海道の美味をふんだんに使った絶品イタリアン
居酒屋やスナックが軒を連ねる「すずらん通り」。その一角でとりわけ楽し気な酔客の笑い声が漏れていたのがここ『エゾットリア』だ。店名はエゾ=蝦夷食材+トラットリアから。店主の出身地・北海道の美味をイタリアンに落とし込んだ、わずか6席前後の隠れ家的な店である。黒板メニューには珍しい北の食材もあって目移り必至だが、まずは前菜セットを。
前菜セット(冷菜・温菜7~8種) 1人前・2000円〜
後は気分で選び、ワインを傾けながら待つべし。何せ店主ひとりで調理も接客もこなすのだから急かすのは野暮である。さてメインなら通年提供するエゾ鹿肉の炭火焼きはいかが。しっとりロゼの焼き加減は嫉妬すら覚える美しさで、噛むほどに赤身の旨みが舌を潤わす。〆のパスタもいろいろ。材料次第で好みの味も作ってくれるんだって。この店は、胃袋がひとつじゃ足りん(笑)
[住所]東京都文京区千駄木3-44-1
[電話]090-9433-7653
[営業時間]18時~23時
[休日]日・月
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅2番出口から徒歩5分
『牛もつ 二鷹』、千駄木『一富士』の姉妹店
部位の個性を最大限に生かした牛モツ料理で新たな魅力発見!
千駄木に「一富士」というコースで味わうモツ割烹の人気店があるが、その姉妹店だから『二鷹』。こちらはアラカルトで和牛モツ料理をカジュアルに楽しめる店だ。潔いほどモツ尽くし。これだけ特化しているのは自信がないとできないですな。芝浦から仕入れるモツは鮮度抜群、徹底した下処理を施しているので臭みは一切ない。
レバー刺(低温調理) 850円
さらにこの店がスゴイのは各部位の個性を生かしつつ和洋中とアレンジが自由自在なこと。シビレのカツからスジ肉のニラ玉、熟成ハラミのステーキまで、モツのポテンシャルに驚かされる。定番の煮込みはギアラやミノなど数種が入り、味噌味ベースにテールスープなどを加えて煮込んだ逸品。ご飯ともお酒とも相性ピッタシだ。谷中にある銭湯でひとっ風呂浴びた後、大の銭湯好きの店長と語って一杯も乙ですよ。
[住所]東京都文京区千駄木3-43-9 2階
[電話]070-3168-2929
[営業時間]12時~14時、18時~23時
[休日]不定休
[交通]地下鉄千代田線千駄木駅2番出口から徒歩5分・JR山手線ほか日暮里駅などから徒歩6分
『ダイニングバー ロブコ』
夫妻のこだわりが隅々に詰まった 気軽でおいしいウイスキー&料理
ウイスキーが、お好きでしょ?ならばきっとハマる店。とはいえ堅苦しい雰囲気はゼロなのでご心配なく。もしあなたが詳しくなくても、気さくな店主夫妻に聞けばその魅力を知るきっかけとなるはず。スコッチやアイリッシュなど5大ウイスキーのラインナップは「希少な銘柄を多く揃えるより、下町らしく気軽に飲めるものを中心に」と約200種。500円程度から試せるとは、ここは谷根千の良心か。
牛ハチノス煮込み スライスパン添え 700円
しかもつまみが秀逸。実はご主人の雅樹さんは以前イタリアンの店を経営していたシェフで、両親が40年間営んだ割烹の跡地を継いで7年前に心機一転、好きなウイスキーと料理を軸に始めたのがこの店なのだ。牛ハチノス煮込みは仕込みに3日かける前店からの人気品。コク深い旨みがハイボールに合う~。今宵はもう少し、飲みましょうか。
撮影/小島昇(華)、西崎進也(エゾットリア、二鷹、ロブコ)、取材/肥田木奈々
※2023年5月号発売時点の情報です。
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