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土地の力を取り込んだ、料理・お茶・お酒でリトリート

総支配人の宍倉さんは『フォーシーズンズホテル京都』の副料理長、『ザ・リッツ・カールトン・沖縄』の料理長として修業を積んだ経験もあり、moksaではエグゼクティブ・シェフを兼任。館内で提供する料理、お茶、お酒にも、八瀬や京都のローカル性を存分に反映させています。

野菜を軸にメニューを構成するため、ディナーコースは「季節替わり」ならぬ「畑替わり」。写真は料理長の佐野良輔さん。

レストラン「MALA(マーラ)」は薪火料理を提供するダイニング。使用する野菜は高野川上流にある大原の野菜で、鶏は京赤地どり、豚は丹波産、牛は近江牛など、食を通じて土地の豊かさを味わう趣向です。

「薪火の使用はかつて大原や八瀬の里から薪や炭を行商していた女性たち“小原女”(おはらめ)の文化に着想を得たものです」

丁寧に火入れした京赤地どりは衣をつけて焦がしバターでカリッと仕上げる。金時人参、菜の花もそれぞれ薪火で炙りうま味を引き出した。
薪は美山のナラ材で薪割りもキッチンスタッフの仕事。薫香をまとった野菜は記憶に残る味わいだ。

オープンキッチンを囲むカウンター席は、薪のはぜる音やナラの香りが五感を刺激し、直火から遠火までフル活用されているオーブンを眺める特等席。手間を惜しまぬ仕込みと丁寧に火入れされた肉料理もさることながら、薪の香りをまとった焼き野菜の味の濃いこと、甘いこと!

オープンキッチンをぐるりと囲むカウンター席はマホガニーの一枚板。このほか庭に面したテーブル席や個室がある。
八瀬の上流にある大原のつくだ農園からおまかせで届く旬の野菜。畑で採れる野菜に合わせてメニューも変えていく。
「養生朝食」は亀岡のお米を炊いたおかゆに柚子餡をかけた湯葉餡かけ。朝の胃袋に優しく染みわたる。

ティーラウンジ「帰去来(ききょらい)」でいただける生薬をブレンドした養生茶や中国・台湾茶、日本茶。果実酒や保命酒をセットにしたナイトキャップなど。身体の内側から「整う」働きかけの数々が用意されています。

4席のカウンターでお茶を提供する〈帰去来〉。目の前に広がる庭の景色や美しい道具を眺めているだけでも楽しい。
〈hahahaus〉の養生茶、〈小慢(シャオマン)〉の中国・台湾茶、〈一保堂〉の日本茶を用意しており、茶器や道具類は現代作家の作品を使用している。
茶葉によもぎや菊、柿の葉など生薬をブレンドした滋味深い養生茶。東洋医学のひとつ「気・血・水」をもとに問診で体質にあったお茶を選んでくれる。
琥珀糖や焼き菓子など、ホテルメイドの小さな菓子が添えられる。
就寝前のナイトキャップには薬酒を用意。一保堂のいり番茶を漬けた自家製ジンに護王神社のカリン酒、保命酒の3種がセットになっている。

誰にも邪魔されないサウナと地域性豊かな食、そして清涼な空気と八瀬の自然に包まれた休息。八瀬の土地に身をあずけリフレッシュする……、洛北に待っている新しい京都体験。

ギャラリーのようなショップでは、帰去来で使用している茶器や、薬膳茶・中国茶等の茶葉、アメニティのコスメなどを販売している。
日本庭園には高野川の支流を引き込んだ小川があり池には鯉が泳ぐ。6月頃には周辺で蛍の姿を見ることもあるとか。

moksa Rebirth Hotel

住所/京都府京都市左京区上高野東山65
電話/075-744-1001
備考/宿泊料金・おひとり34,400円(消費税・夕食・朝食込/宿泊税別)~
アクセス・京都駅より 車で約40分、叡山電鉄「八瀬比叡山口駅」徒歩約5分、叡山ケーブル・ロープウェイ「ケーブル八瀬駅」から徒歩約10分、京都バス「八瀬駅前」下車 徒歩15分

蒸庵

営業時間/7:00〜23:00
料金/宿泊者料金・炭蒸18,000円(税別)、檜蒸15,000円(税別)、美蒸12,000円(税別)
日帰りプラン・炭蒸26,000円(税別)、檜蒸23,000円(税別)、美蒸20,000円(税別)
完全予約制(1組90分、1~3名まで)

編集/エディトリアルストア
取材・執筆/渡辺美帆、成田孝男
写真/奥田正治

※情報は令和5年4月19日現在のものです。

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おとなの週末Web編集部
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