国産の茶葉を使って作られる日本の紅茶「和紅茶」。品種の増加や技術向上に伴い、海外の品評会で賞を受賞するなど、高い評価を受けています。インドやスリランカよりも渋みが少なくすっきり飲みやすいのが特長です。種類を多く揃える上に…
画像ギャラリー国産の茶葉を使って作られる日本の紅茶「和紅茶」。品種の増加や技術向上に伴い、海外の品評会で賞を受賞するなど、高い評価を受けています。インドやスリランカよりも渋みが少なくすっきり飲みやすいのが特長です。種類を多く揃える上に、淹れ方、飲ませ方の妙技で、和紅茶の魅力を存分に味わえる。はじめの一歩に最適な都内のお店4軒をピックアップ。雰囲気も抜群です。
『TEAROOM Yoshiki Handa』 @町屋
端正なお菓子と和紅茶の極上ペアリング
「和紅茶はこのところどんどんおいしくなっています。でもまだそのことは広く知られていないのです。少しでもそのお手伝いができたら」という店主の半田さん。以前は老舗紅茶専門店『マリアージュ フレール』で世界の紅茶を紹介してきたが、その経験を生かし、自身の店では和紅茶の魅力を伝えていきたいという。
ケーキとお茶 1230円~
半田さんが和紅茶をおいしく淹れるために選んだのは日本茶の急須。ティーポットよりもお湯が早く冷めるため、初めに高い温度で香りを、温度が下がることで、次に旨みを引き出す。丁寧に淹れる和紅茶のパートナーには銀座和光出身のパティシエという奥様が作るお菓子を。一見とてもシンプルなスイーツだが、素材のおいしさが際立っている。穏やかな旨みを持つ和紅茶と共に味わえば、それぞれがより魅力を引き立て合う。
[住所]東京都荒川区町屋3-6-1
[電話]03-6770-3166
[営業時間]11時半~19時(18時LO)
[休日]月・火
[交通]地下鉄千代田線町屋駅1番出口から徒歩7分
『norm tea house(ノーム ティー ハウス)』 @新御徒町
カジュアルに導く奥深い和紅茶の世界
時には茶園に住み込みで働くほど、お茶の世界にどっぷり浸かっていたという店主の長谷川さん。だが意外にも「以前は紅茶に興味がなかったんです」と笑う。市販の紅茶のガツンと強い味に馴染めなかったが、和紅茶のやさしい味を知り、すっかり紅茶が好きになったのだとか。「軽やかで飲み疲れしないのが和紅茶のいいところ」という。
ティーセット 1000円
そんなことから店で扱うのは柔らかな味わいの和紅茶がメイン。温かいお茶をワイングラスで出したり、冷たい牛乳で抽出する「ミルクブリュー」があったりと、立ち飲みというカジュアルなスタイルながらもメニューはなかなかマニアック。「和紅茶にはあんこや塩気のあるものが合うんですよ」と、お茶うけに塩ようかんが出てくるのも楽しい。好奇心を刺激する長谷川さんのナビゲートで和紅茶の新しい世界を覗いてみたい。
[住所]東京都台東区三筋1-11-8
[電話]非公開
[営業時間]土・日12時~18時 ※月は〜17時
[休日]火〜金
[交通]地下鉄大江戸線新御徒町駅A4出口から徒歩8分
『和紅茶専門店 SANKODO』 @大泉学園
和紅茶を味わうやさしい時間と空間にくつろぐ
今年オープンしたばかりの和紅茶専門店。全国の和紅茶を取り寄せて吟味したというだけに、ラインナップは選りすぐりだ。イギリスのティーコンテストで最優秀賞を受賞した、熊本『お茶のカジハラ』の和紅茶など、世界が認める品質のものにも出合える。「たくさんの茶園の中でも情熱をもって作る生産者さんの和紅茶を紹介していきたい」とは店長の倉嶋さん。
和紅茶とスコーンのセット ※和紅茶の価格+540円
取り扱う茶園はすべて訪ねたそうで、茶園や生産者のことももっと紹介していきたいと意気込む。毎朝焼き上げる自家製のスコーンやケーキのほか、和紅茶とあんこの相性がいいことから、「手作り最中」や「クリームあんみつ」など和菓子もメニューに用意する。都心から少し離れた大泉学園という落ち着いた街にあり、フロアもカウンターも広々。和紅茶と共にゆったりと過ごせる空間だ。
[住所]東京都練馬区東大泉1-37-2 三幸産業第6ビル2階
[電話]03-6904-5977
[営業時間]10時半~18時(17時半LO)
[休日]月・隔週火
[交通]西武池袋線大泉学園駅北口から徒歩2分
『紅茶専門喫茶 りんごや』 @根津
豊富な和紅茶の飲み比べで深い世界を探求
ギャラリー併設の小さな空間ながら、和紅茶は都内屈指の品揃え。ガラス瓶に詰まった和紅茶がテーブルにズラリと並ぶ姿は壮観だ。店主の中原絵亜さんは元々紅茶好き。世界の紅茶を扱っていたが、国内の盛り上がりと共に和紅茶が徐々に増え、今や70種ほどのレパートリーに。
紅茶と今日のお菓子セット(紅茶1種追加) 1500円
「レアものや高級なものではなく、入門編として楽しんでもらえれば」という中原さんだが、水・日曜日には「国産紅茶の会」(要予約)も開催するほどの和紅茶通。日本の紅茶の歴史から茶園のことや品種まで、次から次へと興味深い話が飛び出す。「お茶といえば静岡や九州が有名ですが、そればかりではないさまざまな産地のことも知ってほしい」と全国の多様な品種が揃うのも特色だ。多くの種類を飲んでみたいという、ビギナーらしい和紅茶愛も受け止めてくれる。
[住所]東京都文京区根津2-22-7
[電話]03-5685-2456
[営業時間]13時~19時
[休日]木・金
[交通]地下鉄千代田線根津駅1番出口から徒歩4分
撮影/貝塚隆、取材/岡本ジュン
※2023年5月号発売時点の情報です。
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