あの鳥羽シェフ初のコラボ書籍が話題 ”僕だからこそ思いついた”レシピ&人気野菜バイヤー青髪のテツの料理人も認める豆知識

世間の注目を浴びている一つ星レストラン「sio」のオーナーシェフ・鳥羽周作さん初のコラボ書籍『野菜バイヤーと一つ星シェフが考えた新定番 おうち野菜の神レシピ』(講談社)が刊行されました。素材をシンプルに味わうレシピや、一…

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世間の注目を浴びている一つ星レストラン「sio」のオーナーシェフ・鳥羽周作さん初のコラボ書籍『野菜バイヤーと一つ星シェフが考えた新定番 おうち野菜の神レシピ』(講談社)が刊行されました。素材をシンプルに味わうレシピや、一つ星を誇るシェフのおいしさの秘密が垣間見れるような”プロならではのコツ”が詰まったレシピが、季節の野菜ごとに掲載。料理人のレシピ本が数ある中で、この本の嬉しい特徴は、SNSで人気の野菜バイヤー・青髪(あおがみ)のテツさんによる旬野菜の豆知識も惜しげもなく書かれているところ。”世の中の幸せの分母が増えればいいな”という鳥羽さんの思いに、青髪のテツさんも共感しています。互いに理解しあう2人の、今すぐ役立ちそうな情報がギュギュッと詰まった一冊です。

“料理人も知らないような”野菜情報も魅力

レシピを監修した鳥羽さんは、31歳で料理の世界へ入る前、サッカーJリーグの練習生や小学校の教員をしていたことがあるそうです。”これなら作れそう、作ってみたい”と見る人に思わせる教え方や軽快なテンポ、良いものを伝えたいという熱量は、プロサッカー選手を目指し、教員をしていた頃の経験が生かされているのではないでしょうか。

大人も子どもも大好きな味。ポイントはとうもろこしの”芯” 「とうもろこしのバターじょうゆ炊き込みごはん」

そんな鳥羽さんの魅力と才能に惹かれ、今回のコラボ書籍を持ちかけたのは、スーパーの青果部勤務の経験をいかし、野菜に関する発信でTwitterのフォロワー数60万人以上(2023年7月10日時点)をもつ野菜バイヤーの青髪のテツさんです。

発信力のある2人が目指したのは、「これ一冊で、繰り返し、一生使える」野菜が主役のレシピ本。2023年5月31日に刊行された『野菜バイヤーと一つ星シェフが考えた新定番 おうち野菜の神レシピ』(講談社、1760円)です。

野菜のプロ&料理のプロ これ1冊で、もう野菜料理に困らない

本の冒頭では、「野菜をもっと食べてほしい」、「食を楽しめれば人生がもっと豊かになるはず」という青髪のテツさんの言葉や、鳥羽さんの「野菜が上手に使えるようになると、人生の糧がひとつ増えると思います」という思いが綴られています。

同書は、季節ごとに野菜を分け鮮度の良い品の選び方や栄養などの情報が、レシピと見開きになっているので、作り方だけでなく食材の豆知識も身につきます。

縁日で食べた記憶を思い出しそうな香ばしい「蒸し焼きとうもろこし」 味付けは”アレ”ひとつ

例えば、かぼちゃの皮やワタは実よりもベータカロテンが多い。さらにワタは食物繊維たっぷりなので便秘解消に期待ができ、甘みもあるのでミキサーにかけてポタージュなどに入れるとおいしい。青髪のテツさんの”豆知識”には、捨ててしまいがちな部分の意外な活用法も知ることができ、鳥羽さんも「料理人でも知らないこともあったりとか、すごいから」と、同書で語っています。

材料はかぼちゃ、牛乳、バター、グラニュー糖、塩のみ 超簡単なのにお店レベルの逸品!?
「パンプキンポタージュ」

「圧倒的に簡単で、圧倒的に美味しいコツ」がわかるレシピ

この本のレシピは、「sioのオリジナルレシピ」と「シンプルに味わうレシピ」に分かれ全64レシピが載っています。「圧倒的に簡単で、圧倒的に美味しいコツ」が詰め込んであるという、力強い一冊。

「sioのオリジナルレシピ」は、鳥羽さんが“最高においしい”と思うプロならでのひとひねりが効いた料理や、おうちごはんがワンランク上にあがりそうなレシピ。

「シンプルに味わうレシピ」は、定番ながら野菜本来のおいしさを引き出すコツもわかります。

ピーマンの旬は6~8月 いくらでも食べられそうな「無限ピーマン」

「sioのオリジナルレシピ」で特に興味深かったのは「なすのベニエ(フランス版の天ぷらのようなもの)」です。鳥羽さんのコメントに「僕が海外でおぼえた、衝撃のレシピ」とあるように、日本ではなすにあまり使わないような「牛乳」を用いた下ごしらえをして揚げています。

”そこまで言うなら”試してみたい「なすのベニエ」

皮をむいてカットしたなすは、牛乳に30分漬け込むことで柔らかくなり、こんがりきつね色に揚がった衣の中でとろっと甘くジューシーになるそうです。”なすの概念が変わる“というおいしさを想像しただけでも食欲をかきたてられます。

「sioのオリジナルレシピ」からもうひとつ。「レタスチャーハン」は、一見普通に感じるメニューですが、ここにも鳥羽さんならではの独創的なアイデアで、誰が作ってもパラパラチャーハンが簡単に作れます。このレシピの大きなポイントは、”万能米”(やや硬めの食感のピラフ)を炊くこと。

実際に試してみると、フライパンで必死にあおる必要がなく、パラっとした状態に仕上がりました。”万能米”でチャーハンへの苦手意識が軽減し、専門店の食感に近づいたような達成感を得られました。

鳥羽さん提案 ”万能米”でパラっとチャーハン

ほとんど手間がかからないレシピの中で、作る工程が多くても是非試してみたいのは「sioのオリジナルレシピ」にある、夏が旬のトマト、フルーツトマト、ホール缶を使った「トマトソースパスタ」です。

レモンの皮が爽やかなアクセント レストランの厨房に入った気分で作れそうな「トマトソースパスタ」

選んだ理由は、フレッシュトマトとホール缶で作ったトマトソースを合わせることで味に深みを出し、ハンドブレンダーで滑らかなソースに仕上げるなど、家庭ではあまりやらないプロならではの技が見られるからです。仕上げにはレモンの皮を(好みで)使うなど、家庭のトマトソースパスタがレストランで食べるような特別な味わいになりそうです。

シンプルに味わうレシピから「トマトのだし浸し」暑い夏、こんな一品があったら嬉しい

ミシュラン(覆面調査員による調査結果などでおいしいお店を星の数で評価したフランス発祥のガイドブック)一つ星を誇るシェフの料理のおいしさの秘密がわかるような一品です。

「シンプルに味わうレシピ」では、ブロッコリーを切って塩茹でするだけの「ブロッコリーの塩茹で」があり、「ちょっと、シンプルすぎるでしょう~」と、ツッコミたくなりました。。

でも、色止めや食感を残すため、つい氷水につけてしまいそうなところを“水にさらさない”とあります。こうすることで、水っぽくならず野菜本来の旨みや風味をより感じ、おいしさを引き出すレシピなのだとわかりました。料理初心者は、こういった基礎的なことを知ることで調理を始めるきっかけになるかもしれません。

その名も「ブロッコリーの塩ゆで」 ブロッコリーの「茎」は食べることができ、普段食べている緑色の「蕾」よりビタミンCやベータカロテンが多いそうです

この本は、料理のジャンルを問わず使用する調味料も手に入りやすいものがほとんどです。野菜の保存法には、保存期間の目安、冷凍野菜の活用法やおすすめの食べ方などもわかるので、メニューのアレンジも広がりそうです。

ビールに合いそうな「ぺペロンそら豆」茹でないのでフライパンひとつで完成

料理を難しく感じさせない鳥羽さんの軽快なトークは魅力のひとつ。本の中には、マンガの吹き出しのようなレシピコメントも見どころです。簡単に作れそうなので“作ってみたくなる”。作って食べると、いつもの野菜が驚くほどおいしくなって、誰かに”作ってあげたくなる”。そんな嬉しいレシピと、ためになる野菜の知識が盛り込まれた一冊です。

「菜の花の焦がしソテー」菜の花をフライパンに置いたら、勇気をもって”焦げ”を待つ!

【鳥羽周作】

料理を監修した鳥羽周作さん

1978年生まれ。埼玉県出身。一つ星レストラン「sio」のオーナーシェフ。シズる株式会社代表取締役。Jリーグの練習生、小学校の教員を経て、31歳で料理の世界へ。 2018年東京・代々木上原に「sio」をオープン。同店は『ミシュランガイド東京 2020』から 4年連続一つ星を獲得している。現在「sio」「Hotel’s」「o/sio」「o/sio FUKUOKA」「パーラー大箸」「ザ・ニューワールド」「おいしいパスタ」など 8 店舗を展開。書籍、SNS、YouTubeなどさまざまなメディアでも「おいしい」を発信している。モットーは『幸せの分母を増やす』(『おうち野菜の神レシピ』より一部抜粋)

【青髪のテツ】

”すぐに役立つ”野菜情報を監修した青髪のテツさん

スーパーの青果部歴14年の中で野菜の販売や仕入れをした経験から、2020年、「青髪のテツ」としてTwitterで野菜についての発信を始める。フォロワーは2023年7月10日時点で60万超。本名や素顔は非公開。「野菜の選び方」「保存方法」「簡単レシピ」「旬」など野菜に限定した発信が注目されている。新たに野菜のブログ「やさいのトリセツ」 も運営中。近著に『野菜売り場の歩き方』(サンマーク出版) 『おいしい野菜まるみえ図鑑』(KADOKAWA)など(『おうち野菜の神レシピ』より一部抜粋)

文/大島あずさ

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