旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。 さて、今回のテーマとなる食材は? 文/おと週Web編集部、画像/写真AC 【今月の旬食材は?】いま1年で…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:とうがらし
難易度:★★★☆☆
「種が一番辛い」は誤解です
とうがらしは、ナス科トウガラシ属に分類される熱帯、亜熱帯に分布する植物です。原産地は中南米です。旬の時期は夏から秋にかけて。地域差はありますが、一般的には、青とうがらしは6~8月、赤唐辛子7~10月が旬となります。
青とうがらしと赤とうがらしの違いですが、品種は同じで、青とうがらしが熟すと黄色っぽくなり、完熟すると赤くなります。こうしたことから、赤とうがらしいのほうが少しだけ旬の時期が後ろ倒しになっていきます。
違いはほかにもあります。とうがらしは成熟が進むほど辛みが強くなっていくため、青とうがらしより赤とうがらしのほうが辛みが強くなります。
ちなみに、 加熱すると赤とうがらしは辛みが増し、青とうがらしは辛みがやわらぎます。
とうがらしが成熟が進むにつれて辛くなっていく理由は、胎座と呼ばれるヘタの近くにある白いワタの部分と、隔壁と呼ばれる仕切りのような部分に辛み成分であるカプサイシンがたまっていくからです。
種が一番辛いといわれることがありますが、実は、種自体の辛みはマイルドなのですが、種は胎座や隔壁に位置するため、カプサイシンが表皮に付着してしまいます。そのため辛く感じるのです。
また、乾燥させたり、刻んだりすると胎座や隔壁にたまっていたカプサイシンが拡散するため、果肉も種もより辛くなるのです。
とうがらしのなかには甘とうがらしという辛みのない品種もあります。代表的なのが、ししとうです。意外かもしれませんが、ピーマンやパプリカ、最近スーパーで見かけることが多くなった、京野菜の万願寺とうがらしなども甘とうがらしの一種です。
美味しいとうがらしの見分け方
とうがらしも鮮度が大切です。色鮮やかでつやが良く、ハリのあるものを選びましょう。ヘタの切り口が黒ずんでいたりしなびているものは、収穫されてから時間が経っています。
使い切れない場合、風通しが良く、日の当たらない場所で乾燥させて自家製の乾燥とうがらしを作ることも可能ですが、しっかり乾燥させないとカビがはえてしまいます。
とうがらしの注目栄養素
辛み成分であるカプサイシンには体を温める効果があるという話を耳にしたことがあると思います。実は、まったく逆で、カプサイシンは体を温めるのではなく、体にこもった熱を放出させる働きを持っています。
とうがらしを使用した料理を食べると汗をかくため体感的には体がぽかぽかしますが、それは一時的なもので、汗をかくことで体温が下がってしまうのです。
これはとうがらしが熱帯の植物であるためです。とうがらしをはじめとした熱帯の植物は、基本的に暑さ対策に役立つ作用を持っているのです。そのため、とうがらしに限らず、体を冷やしたくないときには熱帯の地域が原産の野菜や果物の摂取は控えることが賢明です。
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