優勝は名店のシェフ!GACKTも唸った「CHEF-1グランプリ」決勝戦の裏側に迫る

優勝は名店のシェフ!GACKTも唸った「CHEF-1グランプリ」決勝戦の裏側に迫る

優勝は名店のシェフ!GACKTも唸った「CHEF-1グランプリ」決勝戦の裏側に迫る

若き料理人のナンバーワンを決める大会「ザ・プレミアム・モルツ presents CHEF-1グランプリ2023」。先程テレビでのオンエアが終わったばかりの決勝戦の様子をお届けします。全国461名の若きシェフの頂点に輝いたのは!?

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プロ・アマ、ジャンルを問わない年齢40歳未満のシェフが、全国各地から461名エントリー。2回戦で40名、3回戦で8名へと絞られ、準決勝を勝ち抜いた4名が決勝へ進みました

決勝はトーナメント制を採用。統一テーマ「料理に革命を起こせ」のもと、第1試合が「とんかつに革命を起こせ!」第2試合が「インスタントラーメンに革命を起こせ!」というお題が決められています。

それぞれの試合を勝ち上がった2名が、最終決戦「すき焼きに革命を起こせ!」に挑みます。

国民代表審査員としてGACKTが参戦!

決勝の審査員を務めるのは4名。

・和食:神田裕行さん
16年連続でミシュラン三つ星を獲得する『日本料理かんだ』店主。ミシュランから日本人として初めて「メンターシェフアワード」に選出されています。

・フレンチ:関谷健一朗さん
16年連続のミシュラン三つ星店『ガストロノミー“ジョエル・ロブション”』総料理長。フランス料理界最高峰の称号「M.O.F」(フランス国家最優秀職人章)を日本人で初受章しています。

・ラーメン:中村栄利さん
『NAKAMURA』店主。アメリカでラーメンブームを引き起こしたラーメン界の革命児。

そして、国民代表審査員として、神の舌を持つアーティスト・GACKTさんが参戦。過去最高レベルの審査員軍団が形成されています。

戦いを見守るメンバーも豪華。MCの南海キャンディーズ・山里亮太さん、女優・松下奈緒さん。スペシャルサポーターのさや香のふたり、そしてゲストに、今田耕司さん、森泉さん、森香澄さん、実業家のレイノ・バラックさんと錚々たる顔ぶれが揃いました。

第1試合、第2試合の組み合わせは抽選で決定。審査は誰が作ったかを明かさずに食べるブラインド方式で行われます。調理工程から隠されていて、どうなっているのかまったくわからない状態の先入観なしでの実食となりました。

ちなみに、審査員は各10点を持ち、40点満点。合計得点の高さを競います。

まずは第1試合の「とんかつに革命を起こせ!」。対決するのは、『ガストロノミー “ジョエル・ロブション”』所属の根本郁弥さん(フレンチ/東京都)と、『松山モノリス』所属の久保 貴さん(イタリアン/愛媛県)です

フレンチの根本シェフが用意したのは「お椀 de トンカツ」。肉と衣を分解したトンカツで勝負です。

久保シェフは、パートブリックの上に、フルーツジャムやナッツのペースト、厚みのあるヒレ肉をソーセージのように巻いた「砂漠のオアシス」で挑みました

結果は、根本シェフが勝利。最終決戦進出を決めました。

ジャイアントキリング! インスタントラーメンに革命の風が吹く

第2試合は「インスタントラーメンに革命を起こせ!」。対決するのは、TETOTETO所属の丸山千里さん(フードクリエイター/神奈川県)と、『TTOAHISU』所属の山下泰史さん(ジャンルレス/福岡県)。

必ず袋の乾麺を使うこと(メーカーは問わない)を条件としたこの戦い、驚きの展開が待ち受けていました。

丸山シェフが作った「カニと柑橘のお茶ラーメン」が審査員から大絶賛! 鶏ガラと玉露でとったダシに抹茶を加えたスープ。インスタント麺のゆで汁でお茶をまとわせた麺。そして、カニと生クリームで作ったあんかけ。フードクリエイターらしい足し算で構成された一杯は、審査員の箸が止まらず。

「カニと柑橘のお茶ラーメン」

この対決を審査するために、ニューヨークから帰国した中村シェフは開口一番「ブラボー!」と声をあげ、「ラーメン屋でお茶を使うことはない」と絶賛。

また、3回戦で丸山シェフの料理を「食べたことがない」と驚きを見せた関谷シェフは、ここでも「食べたことがない」と驚きの表情を浮かべ、「お茶の香り・味がしていた。これ以上足すものも引くものもない」と話しました。

そして、GACKTさんもまた、お茶とラーメンの組み合わせを称賛。「革命とはぶっこわす、気づきを与えること。そういう意味では8割クリアしている」とした上で、「日本人はお茶漬けが好きなんだなと食べて思った」。ほぼ完食していたのも印象的でした。

これに対して山下シェフが作ったのは「成長するインスタントラーメン」。麺や粉末スープなど、それぞれのパーツを分けて仕事をしていき、それらが合わさることでグレードの高いインスタントラーメンが誕生するというもの。

インスタントラーメンは普段あまり食べないという山下シェフ。この決戦に向けて、インスタントラーメンをいくつも食べ、福岡県内のラーメン店に足を運んだことからも悲願達成に向けての執念を感じます。

しかし、結果は丸山シェフを下回る得点に。ここで無念の敗退となりました。

中村シェフはひとつ一つのおいしさを評価しつつも、全体のバランスに物足りなさを感じた様子。

クオリティは山下シェフの方が上と話したのはGACKTさん。「いきなりスープを注がせてもよかったのでは」と、プレゼン方法に不満を感じ、評価を下げていました。

「僕はとっても好き」と高評価だったのが神田シェフ。「日本人らしい引き算の美学で、足し算の料理であるラーメンを作ってきた」と、引き算で構築される和食の料理人ならではの意見を述べていました。

決勝戦は、フレンチの根本シェフと、フードクリエイターの丸山シェフの対戦となった。

ついに優勝者が決定!

テーマは「すき焼きに革命を起こせ!」。使用条件はすき焼き鍋(鉄鍋)を使うこと。丸山シェフが作ったのは、すき焼きと漬物の組み合わせ。サッと火を通した和牛のリブロースに、水キムチやぬか漬けのマッシュルームの酸味と発酵の旨みを加えています。

そして、付け合わせのチーズを食べているうちに日本酒を飲むことで、得意の口中調味が炸裂する仕組みです。

果たしてその評価は……神田:5、関谷:6、中村:8、GACKT:6の合計25点

「すき焼きらしさから離れたかな」という神田シェフに対して、中村シェフは「食べていて心地よかった。コースのようにすき焼きを楽しめるんだな」と感心。関谷シェフは口中調味、GACKTさんはアプローチのよさに高評価を下しました。

続いて、根本シェフ。「すき焼きにフレンチの技法とわさびで革命を起こしたい」と、調理の時点でスタジオのゲストから何度も歓声が起き、革命を予感させました。

黒毛和牛のロースにわさびをすりおろし、ハチミツやすだちでマリネ。割り下にはワインを使い、玉子のソースを加えて仕上げ。皿に焼き石を入れて温かい状態で提供。焼き石に割り下をつけて香ばしい香りを出せば、〆は七輪で焼いたパンに肉をのせるなど演出も光りました。

気になる得点は、神田:9、関谷:8、中村:10、GACKT:8の合計35点。見事優勝を果たした根本さんは、トロフィー、チャンピオンコックコート、副賞の「ザ・プレミアム・モルツ」1年分、そして賞金1000万円を獲得しました。

優勝を果たした根本郁弥シェフ

神田シェフは「卵の処理が素晴らしかった。生卵を付けて食べることは海外の人は違和感がある。生卵をかけているのを見て、きれいだけど卵が生なところがちょっと嫌だなと思っていたら、それを炙ってきた。そこで、『あっ、これはフランス料理として完成形に近いな』と思って、よくできていました」と絶賛。

「正直これは……ビックリしました」と話したのが、GACKTさん。「一つひとつに合わせて入れている薬味も含めて上手に混ざっているんですよね。味を引き立たせて楽しませる、というアプローチもあれば、すべてのマリアージュが新たな感覚を起こす、というアプローチもあると思う。この作品で言うとまさしく後者で、『すき焼き』なんですけど、新しいんですよね」と言う口ぶりからしても、根本シェフは「革命」を起こせたのではないでしょうか。

リモートで応援していた家族からは「優勝できるとは思わなかったけど、できてよかった。おめでとう」と声をかけられ、思わず根本さんから笑顔があふれます。

最終決戦について聞かれた審査員のコメントは以下の通り。

関谷「根本シェフは日頃の仕事ぶりを発揮してくれた。それも、まだできることがあるんじゃないかを追求した結果。この名に恥じないようにこれからもがんばってほしい」

中村「軽く10点を出したくなかったけど、今回の審査で2回、10点をつけました。おふたりとも素晴らしかったです(丸山シェフに決勝第2試合でつけている)」

神田「根本シェフは去年に続いての出場。得意、不得意はあっただろうし、今回もラーメンが最終決戦だったら丸山さんが優勝していたでしょう。それくらい丸山さんは素晴らしいアップデートをしたと思います」

若手料理人よ、まずは一歩踏み出すべし!

大会終了後の記者会見にて

大会終了後、MCの山里さん、審査員の神田シェフと記者会見に臨んだ根本シェフ。優勝した気持ちを聞かれ、「まだ夢を見ているような気分です。つらいときも、挫折しそうになったこともありましたが、今までやってきたことが間違いじゃなかったんだと実感しています。この喜びを一生忘れずに励んでいきたいです」と率直な思いを語り、優勝の喜びを伝えたい人に、家族、尊敬する上司を挙げていました。

今大会の統一テーマである「料理に革命を起こせ」について感じたことは? という質問に対しては、「『革命』はすぐ起こせるものではない」と答えた上で、「それにどれだけ近づけるか日々考えた」と言います。「与えられた料理のベースとなるものを、食材を変えてみたり、調理法を変えてみたり、自分の中の知識や技術で模索しながら考えていました」と苦労の末に掴んだ栄冠であったことが、話の端々から感じられます。

気になる優勝賞金1000万円の使い道については、「家族と旅行に行って時間を作りたい」と答え、上司にごちそうさせていただきたいと発言。それを見ていた“上司”の審査員・関谷シェフから「おめでとう、僕がごちそうします!」と返される場面も。その尊敬する“上司”の背中を追いかけ、今後は海外のコンクールに出場し、優勝したいと言う目標を語った根本シェフ。

今後「CHEF-1グランプリ」へ挑戦する若手料理人へのコメントを求められると、「まずは書類を出して一歩を踏み出すこと」と話しました。「一歩踏み出すことで考えるようになり、自分を高める行動をしていけば自ずと道は開ける。自分を信じてやってほしい」とエールを贈ります。

これには神田シェフも「コンクールに出ること、出場したことによって、自分の立ち位置・実力がわかる。鍛錬の場になっている」と同調。「『CHEF-1グランプリ』に出場することで、いろんなジャンルの料理人と交流でき、知らない知識や技術を教えてもらったり、逆に見せたりすることができました。料理人が成長できる大会だと思います」という根本シェフの言葉で幕を閉じた「CHEF-1グランプリ2023」。

記者会見に臨んだ根本シェフ

またここから1年、次世代のスター料理人への道がはじまります。より多くのシェフに参加いただき、熾烈なバトルを繰り広げられることを楽しみにしています!

写真/(C)CHEF-1グランプリ2023 取材/編集部えびす

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