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「脇役を主役に」の振り切りっぷり

続いては、「脇役を主役に」。開発者の犬塚康太さんは、誰よりも調味料を愛し、味付けにこだわり、社内で求道者と呼ばれているんだとか。

具材や白飯は、すべてのタレ、ダシを生かすためにある。これは脇役である調味料を世の中にアピールするチャンスだ」と豪語する。

「脇役を主役に」部門のラインナップ
「脇役を主役に」部門のラインナップ

「焼肉のタレをドバドバ染み込ませた焼肉タレおにぎり(肉入り)」(160円)は、ドンキのPB商品でもある、やや甘口の焼肉のタレを使用したおにぎり。イメージは焼肉屋さんで焼いてタレをたっぷりつけたお肉を白飯にバウンドさせた、あのご飯

焼肉の脂の旨みとタレをドバドバ投入しすぎたことにより、タレを主役にしたことで肉が脇役に追いやられている。米にタレを混ぜ込んでいるが、さらにおにぎりの中にもタレが仕込まれているというこだわりぶりに震えた。

「焼肉のタレをドバドバ染み込ませた焼肉タレおにぎり(肉入り)」(160円)
「焼肉のタレをドバドバ染み込ませた焼肉タレおにぎり(肉入り)」(160円)

食べた瞬間、あまりのおいしさに頬が緩んでしまったのが、「西京味噌で米を食い続けるための金目鯛焼きおにぎり」(214円)だ。

数ある調味料の中で最も西京味噌が好きだという犬塚さん。西京味噌のやさしい味を最大限に引き出す設計で、愛をものすごく感じた。

実は「西京味噌」と名乗れるものは、承認されているごく一部なのだそう。

今回、西京味噌のおいしさを伝えたいと1830年創業の京都の味噌蔵「株式会社 西京味噌」の味噌を使用している。ここでも金目鯛はあくまで脇役。

本音を言うと、金目鯛は入れず、西京味噌だけにしたかったと話す犬塚さんだが、食感を出すためにいちばん味噌の風味を邪魔しない量を模索したんだとか。2023年10月現在、西京焼きの金目鯛が具材のおにぎりがあるそうだが、11月以降は思い切り振り切ったこちらの商品にチェンジされる。

「西京味噌で米を食い続けるための金目鯛焼きおにぎり」(214円)
「西京味噌で米を食い続けるための金目鯛焼きおにぎり」(214円)

「ダシを活かすための親子丼」(495円)は、上記天津飯のあん同様「牛深漁港」で出合った、新鮮な小魚から抽出したダシを使っている。

「このダシに出合った時、これを世の中に広めるのは私の使命だ」と感じたのだそう。ダシのやさしい美味しさを活かすために考えられた、素朴な味付けのダシファーストの親子丼だ。

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市村 幸妙
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