SNSで最新情報をチェック

陶芸家・谷村新司「人生も同じで回転して形になって、いつかは止まる」

今回の谷村新司の訃報を受けて、名曲「サライ」を共作した加山雄三(作曲、作詞が谷村新司)は、チンペイさんから陶芸の手ほどきを受けていたとコメントしていた。チンペイさんは陶芸家としても知る人ぞ知る有名人だった。人間国宝の山本陶秀の息子、山本雄一と共作で備前徳利「昴」がオークションで高値をつけたことがあった。

2000年代初期のインタビューで陶芸の話になった時、かつての洗濯機が回っているのを見るのが好きだったという話をぼくは持ち出した。

“そう言えばそんな話しましたよね。陶芸もろくろを回しながら作る。確か自分は何かを回すのが好きなんだろうね。少しキザに言うと人生というのは回転してると思うんです。回転しながら形を変えてゆく。汚れた洗濯物は回転してきれいになってゆく。陶土は回転して形になってゆく。回転して形になって、いつかは回転は止まる。人生も同じで回転してある形になって、いつかは止まる。人生の場合は止まるってことは死ぬことですよね。その人生の回転が止まった時に美しい形になれてればいいよね”

アリスの作品の数々
谷村新司の作品の数々

岩田由記夫
1950年、東京生まれ。音楽評論家、オーディオライター、プロデューサー。70年代半ばから講談社の雑誌などで活躍。長く、オーディオ・音楽誌を中心に執筆活動を続け、取材した国内外のアーティストは2000人以上。マドンナ、スティング、キース・リチャーズ、リンゴ・スター、ロバート・プラント、大滝詠一、忌野清志郎、桑田佳祐、山下達郎、竹内まりや、細野晴臣……と、音楽史に名を刻む多くのレジェンドたちと会ってきた。FMラジオの構成や選曲も手掛け、パーソナリティーも担当。プロデューサーとして携わったレコードやCDも数多い。著書に『ぼくが出会った素晴らしきミュージシャンたち』など。 電子書籍『ROCK絶対名曲秘話』を刊行中。東京・大岡山のライブハウス「Goodstock Tokyo(グッドストックトーキョー)」で、貴重なアナログ・レコードをLINN(リン)の約400万円のプレーヤーなどハイエンドのオーディオシステムで聴く『レコードの達人』を偶数月に開催中。最新刊は『岩田由記夫のRock & Pop オーディオ入門 音楽とオーディオの新発見(ONTOMO MOOK)』(音楽之友社・1980円)。

icon-gallery
icon-prev 1 2
関連記事
あなたにおすすめ

関連キーワード

この記事のライター

岩田由記夫
岩田由記夫

岩田由記夫

最新刊

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。4月15日発売の5月号では、銀座の奥にあり、銀…