知能を支える3つの要素「論理力」「言語力」そして「熱意・やる気」
脳研究者の池谷裕二氏によれば、知能を支える3つの要素は、「論理力」「言語力」「熱意・やる気」だそうです。そしてその中で最も大事なのが「熱意・やる気」だと言います。熱意が脳を活性化させ、理解力・記憶力なども数割アップするそうです。実際、受験前2、3ヶ月間のやる気スイッチの入った受験生の驚異的な伸びには目を見張るものがあります。
「偏差値10差を逆転合格」(これを「大逆転」と呼ぶことにします)などというと、そんなことはあり得ないという声が必ず上がりますが、それはこの「熱意」という見えない(偏差値に表れない)学力に対する理解不足からであり、根拠のない批判です。偏差値60後半ぐらいの上位校でも、大逆転が実際に数%程度起こっていることは、模試のデータを見てみれば明らかです。数%というとかなり低いように思われるかもしれませんが、それはチャレンジする人がかなり少ないことも影響しています。
1校は合格を目指す学校を
「行きたい学校を第1志望とするのが一番」と述べましたが、それは「チャレンジしてでも行きたい学校がある場合には、恐れず挑戦した方が総合的には良い効果をもたらすことが多い」という意味であり、すべての子どもさんが同じである訳ではありません。どうしてもここという学校がある訳ではないが、先々のことを考えて、中高一貫校や大学の付属校を目指しているという生徒さんもいることでしょう。その場合は、合格の可能性が高い学校が第1候補となります。目指す方向によって、どのような学校を第1志望とするかはそれぞれです。
ただ、方向性がどうであれ、少なくとも1校は合格を勝ち取ることを目指した方が良いと思います。もし受験した学校すべてに不合格となってしまうと、そのときのショックや自信喪失は計り知れないからです。仮に進学しないとしても、成功体験があった方が、次のチャレンジ(高校受験や大学受験)での心のよりどころとなります。
また、現実問題として、周囲からの影響も考えなければなりません。学校の友達から心無い誹謗中傷を受けないとも限らないからです。最悪の場合は、子どもの心に傷を残すことにもなりかねません。
受験生は余裕がありませんので、親御さんの方で、塾の先生などに相談したり、情報収集をして、第2、第3志望、あるいはお試し受験(本命の前に練習として受ける入試)で1校でも合格できるようサポートすることが望まれます。