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季節は晩秋となり、受験生にとって“ラストスパート”の時期に入りました。おとなの週末Webでは、これまでも受験に関する記事を公開してきましたが、本格的な受験シーズンを迎えるにあたり、「逆転合格!中学受験」と題して、多くの受験生を個別指導してきた三井能力開発研究所代表取締役・圓岡太治氏のコラムを掲載、逆転合格に必要なポイントを伝えます。首都圏の難関私立中学の受験が集中するのが2月1日。この“天王山”に向け、受験生の皆さんに伴走します。その第1回です。

合格偏差値まで5~10の隔たりを“逆転”する

「逆転合格」というと、合格偏差値まで5~10隔たりがある学校への劇的な合格を思い浮かべるかもしれません。そのようなケースはもちろんですが、現状は合格ラインに達していないものの、手を伸ばせば届きそうな学校への合格も、受験生本人にとっては十分「逆転合格」だと思います。

多くの受験生が目指しているのはそこではないでしょうか。逆転合格のためにまず心掛けるべきことは、「やるべきことをとりこぼしなくやる」ということです。当コラムでは、まだ合格ラインに到達していない学校に合格するために必要なことを、取り組むべき順序にしたがって説明していきます。

逆転合格に必要なもの「熱意」と「的確な勉強法」

逆転合格を果たした生徒たちを見てきて、分かった逆転合格に必要なものが、大きく2つあります。1つは、「絶対合格したい」という強い熱意。もう1つは、逆転合格を可能とする的確な勉強法です。

受験直前の数カ月は、受験生の学力は急激に伸びます。いわゆる「火事場のバカ力」です。その伸びは、「合格したい」という気持ちが強ければ強いほど大きくなります。

とは言え、強い気持ちさえあれば何でも可能と言うわけではありません。受験に注ぐことのできる時間と労力は限られていますから、費やした努力が成果として現れる的確な勉強法が必要となります。勉強のやり方が間違って入れば、熱意も空回りしてしまいます。

(合格の可能性)∝(熱意)×(勉強法)
※「∝」は「比例」を意味する数学記号です

逆転合格に「熱意」は不可欠

10浪で東大に合格、中学受験は人生で一度キリ

逆転合格を目指すということは、不合格のリスクも増えるということです。逆転合格を目指す上で、いま一度中学受験の厳しさを再認識しておく必要があります。

大学受験では、受験で失敗しても、それを挽回するチャンスがあります。一浪、二浪程度に対しては世間の評価もそれほど厳しくありませんし、むしろ浪人の苦労を経てよりよい結果を手にすることで、現役合格より評価されることも稀ではありません。ある公立高校では、何度浪人してもくじけることなく、10浪目で東大に合格したことを毎年生徒に語る先生がいました。

一方、中学受験で合格を手に出来なかったときは過酷です。中学受験は人生で一度きり。リベンジするチャンスは二度とないのです。しかもまだ幼い小学生。そこでの挫折感が、その後の人生に暗い影を落とすことがあります。また、親子で熱心に受験に取り組んだあまり、親子関係に修復不可能な亀裂を生んでしまうケースもあります。ネット上では、「中学受験などしなければよかった」という親御さんのコメントを見かけることもあります。中学受験は大学受験以上にシビアな世界であることを親御さんは認識しておく必要があります。

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合格までの人、合格からの人...
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圓岡太治
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