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和食と蕎麦、どちらも高い完成度を追求『くろきつね』@六本木

厨房では常にふたりの職人が腕をふるっている。和食と蕎麦、いずれもそれぞれの技を追求したプロだ。和食の料理長によるつまみは素材を吟味し華やかに盛り付けたお造りに、薄衣でさっくり揚げた天ぷら、さらに季節ごとの一品料理を織り交ぜて、まるで割烹のような佳肴が並ぶ

もちろん蕎麦も負けてはいない。するりとのど越しよく打ち上げた九一の「もりそば」で軽やかに〆るって手もあるけれど、今時期ならば温蕎麦もいいだろう。こちらは丸抜きにさらに甘皮を足して挽いた田舎蕎麦

豚そば 1600円

『くろきつね』豚そば 1600円 豚バラ肉のコクと甘みによってツユはさらに深みを増す

温かな汁に浸った太打ちからは湯気と共に野趣あふれる香りが立ち、穀物らしいふくよかな甘みがなんとも素朴だ。本枯節の一番ダシで作るツユの澄んだ旨さにも思わずほぅっとため息がもれる。

『くろきつね』

[住所]東京都港区西麻布3-1-20 Dear西麻布2階
[電話]03-6721-0933
[営業時間]11時半〜15時(14時半LO)、18時〜23時(22時半LO)
[休日]日・祝
[交通]地下鉄日比谷線ほか六本木駅1c出口から徒歩4分

居酒屋使いできる気軽さもうれしい『李蕎庵(りきょうあん)』@小川町

ひとりで過ごす蕎麦屋酒もいいけれど、ここには誰かを誘って来たい。というのも鴨焼きや出汁巻きといった定番以外にも、豊洲から毎朝届く鮮魚に酒のアテまでと、つまみは居酒屋くらい気の利いた品揃えで、あれこれ並べて賑やかにテーブルを囲みたくなる。しかも有名どころから変化球まで日本酒のラインナップの層も厚い上、手頃な価格もうれしい限りだ。そして〆も優秀。

鴨せいろ 1350円

『李蕎庵(りきょうあん)』鴨せいろ 1350円 つけ汁には鴨肉がたっぷり

蕎麦粉は自家製粉ではなく挽きムラの少ない製粉所からの仕入れに徹し、細すぎず太すぎず、ちょうどいい塩梅の二八に打ち上げる。なめらかな麺肌が酒で火照った舌をやさしく撫で、しなやかなコシの余韻を残しながらするりと胃袋まで落ちていく。そんな快感がクセになり、いつまでもすすっていたくなる。

『李蕎庵(りきょうあん)』

[住所]東京都千代田区神田美土代町9-17 日宝神田淡路町ビル地下1階
[電話]03-5577-7577
[営業時間]11時半〜14時半(14時LO)、17時〜22時(フード21時、ドリンク21時半LO)
[休日]土・日・祝
[交通]都営地下鉄新宿線小川町駅B6出口から徒歩1分

蕎麦畑が脳裏に浮かぶ力強い在来種の味わい『蕎麦 おさめ』@目白

『おさめ』第2章の舞台は山の手、目白。築100年になる一軒家はかつて茶人や音楽家など文化人が家主だったそうで、茶室を利用した個室や坪庭も備えた趣は、蕎麦という日本の食文化を表現する店主、納(おさめ)さんに相応しい新天地だろう。

目当てはもちろん店の代名詞、昔ながらの在来種を使う十割蕎麦だ。全国20ほどの生産者から常時3種を厳選。せいろ、粗挽き、玄挽きとそれぞれ産地と打ち方を変えて供している。手繰れば驚きに満ちた香りと力強い味わい

玄挽きそば 1320円

『蕎麦 おさめ』玄挽きそば 1320円 在来種は交雑せず栽培される日本古来の希少品種。この日の玄挽きは鳥取伯耆在来。香りを楽しめるようねぎは付けない

栽培地に行き、生産者と交流し、時に作業も手伝う納さんの蕎麦への愛と情熱が伝わってくるようだ。「在来種の魅力をいかに伝えるか、バトンを渡された使命感のようなものです」。探求は今なお。第2章の物語も楽しみで仕方ない。

『蕎麦 おさめ』

[住所]東京都新宿区下落合3-21-5
[電話]03-6908-2362
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)、17時半~21時(20時LO)
[休日]月・火
[交通]JR山手線目白駅から徒歩7分

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おとなの週末Web編集部
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