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電車に揺られ、あるいはクルマに乗って出かける先は、おいしい蕎麦が待つお店。観光地でなくとも、その一枚による至福は何物にも代えがたい充実した時間をもたらしてくれます。今回は、千葉県大多喜町『手打蕎麦 ゆい』を目指して、小さな蕎麦旅、いざ!

『手打蕎麦 ゆい』 @千葉県大多喜町

味、そして空間 里山に実現した理想の地へ

時の積み重ね以外に生み出すことのできない黒く光る梁、そして欄間。都会を遠く離れた里山だけに許された静寂と凛とした空気。千葉市内で20年以上蕎麦店を営んでいた片岡政博さんが、築130年を超えるこの古民家に惚れ、『手打蕎麦ゆい』の営業を始めたのは、ひとえに自分の理想とする蕎麦を、理想の環境で打ち、そして提供したかったから。

『手打蕎麦 ゆい』

「いいものを出せば、お客さんはくる」そう確信しての決断であったが、いやいや、ちょっとやそっとのいいものでは、客が来るとは思えない辺鄙な土地。しかし今。『ゆい』の蕎麦をたぐりに足を運ぶ客は後を絶たない。そう。いいものを凌駕する“とんでもなくいいもの”が、この地に待っているからだ。

辛味大根せいろ 1100円

『手打蕎麦 ゆい』辛味大根せいろ 1100円 自家栽培の辛味大根の心地よい刺激よ

産地は北海道から鹿児島まで、その時、最上の粉を石臼自家製粉して打った十割蕎麦。地元朝採れ野菜の天ぷら。自家栽培の辛味大根。この11月からは待望の自然薯も登場する。店主の理想は、いただく我々にとっても、文字通り鄙にも稀な理想の蕎麦であった。

『手打蕎麦 ゆい』

[住所]千葉県大多喜町小田代(こただい)391
[電話]0470-85-0885
[営業時間]11時~13時半頃
[休日]水・木(不定休あり、HPで要確認)
[交通]小湊鉄道養老渓谷駅から栗又の滝行きバスで小田代下車徒歩1分
[HP]https://yuisoba.com

撮影/谷内啓樹、取材/カーツさとう

2023年12月号

※2023年12月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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