鉄板の上でジュワ〜っとソースが爆ぜるお好み焼きを、ヘラを使いながらハフハフと頬張る。そこにキンキンに冷えたビールでもあればもう最高だ。今回はそんな西日本が誇る“お好み焼き文化”を東京で最大限に楽しめる店々をご紹介。本場広島の味を東京で!【広島風】ぶち旨いけえ、食べてみんさい。
新宿の裏路地で見つけた丁寧に焼き上げる広島お好み焼きの名作『ぶち旨屋』@西新宿
目の前の鉄板で、刺身でもいけるイカが焼かれていく。香ばしいバター醤油の香りにうっとりしていると、「今日はヤリイカですよ」と店主の高尾敏章さん。
物腰は柔らかだが、この地で20年、鉄板と向き合ってきた熟練の焼き手である。ヘラを慎重に動かしながら「うちは魚には恵まれているんです。魚ひと筋、80歳になる目利きの魚屋さんが近くにいてね」と朗らかに言う。
だが、吟味しているのは魚だけではない。お好み焼きの味を左右するキャベツは、その日に使う分だけを自ら買い付ける。通勤途中に数軒を回り、鮮度、色ツヤ、重さを手に取って確かめ、理想のひと玉を探し出すのだ。
豚肉も、職人気質で知られる専門店へ特注。
「バラ肉だけでなく様々な部位を混ぜて、うち専用に仕立ててもらっています。少し高くてもおいしいほうがいいでしょう」。
そうしてできたお好み焼きは、生地が極薄く、麺は極細く、みずみずしいキャベツやもやし、香り良くしなやかなネギ、肉の旨みが引き立て合う。食べれば口一杯に雑味のない澄んだ味が広がるのだ。
広島ネギかけ肉玉そば1485円

屋台のような気取らぬ店だが、これまでのお好み焼きという概念をひょいと変えてくれる、軽やかな一枚に出合える。
技あり!広島では重ねて焼く
1.お玉で円を描くように伸ばし、生地を薄いクレープ状に焼く。
2.削り粉をふり、山盛りのキャベツ、天かす、豚肉の順に重ねていく。
3.ひっくり返して肉を焼きながら、蒸気でキャベツの甘みを引き出す。
4.麺を炒めてまとめ、3をのせる。卵を丸く割り広げ、その上にのせる。
5.卵が上に来るように返し、ソースをぬり、青のりをふって仕上げる。
店主:高尾敏章さん「さっぱりした紫蘇サワーや三次ワイン、地酒など広島の名酒もおすすめです」
[店名]『ぶち旨屋』
[住所]東京都新宿区西新宿7-22-34新宿東海ビル1階
[電話]03-3364-0807
[営業時間]17時半〜23時(21時45分LO)
[休日]日(祝の場合は営業)
[交通]都営大江戸線ほか新宿西口駅D5番出口より徒歩9分
ローカル愛にまみれた懐かしいあの味を東京人にも教えたい『福一(ぷくいち)』@三軒茶屋
地元のお好み焼き店で働いていた時、同級生から「東京で店をやろう」と誘われて上京した広島出身の店長・栗原生憲さん。ふたりにとってのソウルフードは、広島県南東部・府中市周辺で愛される「府中焼き」だ。
見た目はスタンダードだが、決定的な違いは牛ミンチを使うこと。
「要は、お母ちゃんが家にあるものを放り込んで作っちゃったような、気取らない味ですよ」と笑う。が、これが実に奥深い。
牛ミンチから溶け出した脂が麺に染み込み、鉄板の上でこんがりと、揚げ焼き状態を作り出す。ひっくり返せば、黄金色に輝くクリスピーなビジュアル。
府中焼き・豚玉1100円

まるでかた焼きそばのようになったカリカリ麺に、ソースがジュワッと浸みると所々柔らかくなる。このカリカリ、時々クニュがまた、たまらなく、「府中焼き」は最高級の酒のつまみと化すのだ。
店長:栗原生憲さん「僕らの故郷の味!本場の『府中焼き』をぜひ食べに来てください」
[店名]『福一(ぷくいち)』
[住所]東京都世田谷区三軒茶屋2-13-14
[電話]03-3421-7722
[営業時間]17時〜24時(23時半LO)
[休日]月
[交通]東急田園都市線ほか三軒茶屋駅世田谷通り口より徒歩約2分
鉄板からヘラで食べるのがお約束!
原点は屋台にある広島お好み焼き。皿を洗うために水を汲むという手間を省こうと皿を省略し、当時は高価だったという割り箸も使わないことに。そんな屋台の知恵が生んだのが、鉄板からヘラで直接食べるスタイルだ。







































