鉄板の上でジュワ〜っとソースが爆ぜるお好み焼きを、ヘラを使いながらハフハフと頬張る。そこにキンキンに冷えたビールでもあればもう最高だ。今回はそんな西日本が誇る“お好み焼き文化”を東京で最大限に楽しめる店々をご紹介。アイデア豊富でセンスが光る、まさに粉もんの王様【関西風】をご賞味あれ。ふわザクで、めちゃ旨いわ!
心地よい接客と独特なフワトロ食感がたまらん関西風や!『お好み焼き居酒屋 源亀(げんき)』@錦糸町
もはや地域差すらも愛おしいお好み焼き。ただ、ここでは粉もん文化の聖地で愛される関西風にまずは焦点を当てたい。
生地と具材を混ぜて焼くだけと思ったら大間違いで、キャベツの切り方、生地の混ぜ方、焼き加減……知れば知るほど、いかにおいしく食べてもらうか。そのこだわりに驚かされてしまう。
さて、前職で出会ったご夫婦が、脱サラし店を構えて18年。フワトロ食感の独創的な関西風お好み焼きで人気を集めるのが『源亀』だ。会社員時代から、お好み焼きを同僚に振る舞い自身の理想を追求していたご主人。
看板である、生地にチーズを忍ばせた源亀焼きは、同僚からも好評だった自慢のひと品だ。1個に約200g使用するキャベツを千切りにすることで生地が絡まり流れづらく、食感の要の厚みが生まれている。生地には程よい粘りと旨みを持つ大和芋を使用するのもこだわり。
山のミックス源亀焼き1600円

仕上げのおたふくソースとマヨネーズ、甘いキャベツ、そしてとろけるチーズ。この濃厚な味わいに、生ビールが進む。さて次は……とメニューを開けばお好み焼きからつまみまで、300弱のお品書き。え、”お好み”でドウゾって? アカンわ、目移りしてまう〜。
こだわりの雲上食感の秘密は!?
1.たっぷりの千切りキャベツと生地を空気を含ませるように混ぜる。
2.間にキモのチーズを忍ばせるため生地は二度に分けて鉄板へ。
3.返す前に豚肉、ラード、カツオ節を。肉と油の旨みをカツオ節がキャッチ。
4.ひっくり返したあとは、蓋をしてじっくり5分蒸らす。
5.蒸したあとは、さらに返して3分。切り分けるそばからフワトロだ。
6.仕上げはおたふくソース、マヨネーズ、青のりをパラリ。
店主:亀井伸幸さん、女将:亀井容子さん「ご来店お待ちしてます。狙い目は、平日の17〜19時です!」
[店名]『お好み焼き居酒屋 源亀(げんき)』
[住所]東京都墨田区錦糸4-14-9本間ビル
[電話]03-3621-4189
[営業時間]17時〜22時LO、土は21時半LO、日・祝は21時LO※最終入店はLOの30分前まで
[休日]月、第2・4・5日
[交通]JR総武線ほか錦糸町駅から徒歩2分
シックな店内で食す本場、尼崎を超えた計算され尽くした一枚『お好み焼き いまり 奥恵比寿』@代官山
照明を落とした店内。BGMのジャズに混じり、コツンコツンという音が。見るとスタッフがボウルに入った具材をスプーンでリズミカルに刺すようにして混ぜている。
聞けば、「刻んだキャベツ一つひとつに山芋入りの生地をからめ、かつ生地内に空気を含ませられるんです」とのこと。
ふむ。あごすじとゲソの炒め物などを楽しみながら、待つこと約15分。じっくり焼き上げられたお好み焼きは、キャベツのザクザク感と生地の軽やかさ、なめらかさを実現していた。
昔ながらの大阪モダン1500円
香ばしい豚バラのパリパリ感、焼きそばと生地の相性、オリジナルソースのスパイシーさ…どれもが次のひと口を誘う。
実家が尼崎で営んでいたお好み焼き屋の味を「そのまま持ってきただけ」とオーナーの大林貫太さんは謙遜するが、このお好み焼きを食べた母親は「少し悔しそうな顔をしてました」という渾身の味をぜひ!
店主:植木貫太さん「週末は混み合うので、予約がおすすめです」
[店名]『お好み焼き いまり 奥恵比寿』
[住所]東京都渋谷区代官山町13-4
[電話]03-5422-3909
[営業時間]17時〜24時
[休日]年末年始
[交通]東急東横線代官山駅北口から徒歩2分、JR山手線ほか恵比寿駅西口から徒歩8分
【コラム】マヨネーズはいつから?
お好み焼きにマヨネーズを定番化させたのは大阪の『ぼてじゅう』で昭和22年頃から。今は市販品をベースにマスタードやレモン果汁を加えたり、甘口のお好みソースに合う独自のマヨを作っているお店が多い。
開業25余年の名店による至福のふわとろお好み焼き『なんばん亭』@下北沢
下北沢南口商店街の小道を入った2階。開業して25年超その独自路線のお好み焼きでファンを唸らせる『なんばん亭』はある。
形は四角く焼き上がりの厚みは5cmほど。オーナーが行きついた究極の調理法なのだという。約12分かけて両面を2回ずつ、お店の方が火加減を調節しながら目の前で焼いてくれるお好み焼きは驚くほどの軽さが特徴だ。
お好み焼きMIX( エビ・イカ・タコ)1320円、お好み焼きねぎぼっかけ(牛すじ、ねぎ、こんにゃく)1540円

ふわふわかつとろみある口当たりは山芋と、ざく切りしたキャベツから出た水分で時間をかけて蒸し焼きにすることで生まれ、甘さ控えめでスパイシーな自家製ソースとよく合う。
春菊が入っているのもこの店ならでは。パリっとした食感に爽やかな苦味がさらに食欲をそそる。食べ進めると中からとろりと半熟卵もお目見え。あっという間になくなるので、ひとり一枚は必ず注文したい。
店内壁の著名人の色紙の多さにも納得だ。
店長:高比良陸さん(※高は本来、はしごだか)「お子様用にはソースや辛子の量なども調整できます!」
[店名]『なんばん亭』
[住所]東京都世田谷区北沢2-12-3イシカワビル2階
[電話]03-3419-6938
[営業時間]17時〜23時(22時LO)、土・日・祝:11時半〜15時(14時LO)、17時〜23時(22時LO)
[交通]小田急線ほか下北沢駅東口から徒歩2分
小麦粉少なめで軽い!外カリ、中フワの食感はトリコになる魅力『お好み焼き のろ 赤坂一ツ木通り店』@赤坂
「うちは平べったくて、外はカリッと、中がふわふわ。お好み焼きはその名の通り”お好みや”から、好きな店を選んでもろたらええんです」と兵庫県出身の店主・中村久和さん。
小学生で初めて焼いてから、「(しばし計算機を叩いてみて)人生で30万枚以上は焼いている」と大笑い。
ここの個性は生地の軽さ。キャベツはみじん切りにして、しっかりと乾かす。生地を混ぜるときは、器を動かして、空気を入れて抱き込んでいく感じで。山芋多め、小麦粉少なめ、ゆえに食感が軽く仕上がる。
元祖かいわれ豚玉1200円
鉄板で熱が入ると、キャベツが蒸されていく匂いと山芋に熱が入る匂いでもう旨そうだ。東京では珍しく、ランチは定食があって、お好み焼きをオカズに白飯と味噌汁も食べられる。それと昼は「赤坂鮨兆のおまぜ」もあり、激戦区赤坂で有数のランチ人気店なのもうなずける。
リピート必至だ。
店長:中村久和さん「鉄板前で格闘してます。ビーサン短パン袖まくりで焼いています~」
[店名]『お好み焼き のろ 赤坂一ツ木通り店』
[住所]東京都港区赤坂3-13-14赤坂Tatsumiビル地下1階
[電話]03-6441-0308
[営業時間]11時〜14時、17時〜翌2時、土・祝は17時〜23時
[休日]日
[交通]地下鉄千代田線赤坂駅1番出口から徒歩30秒
海苔×お好み焼きのさっぱり感は驚愕のおいしさ!『お好み焼き辰(たつみ)』@蒲田
自由が丘の人気店で腕を磨いた佐藤辰海さんを店長に抜擢し、海苔問屋が始めたのが、ここ『辰』だ。
「修業先同様にソースは京都の老舗オジカソースを、生地に使うダシも京都から海産物を取り寄せています」(佐藤さん)。
ゆえに京都風のお好み焼きとのことだが、「ただ本当のところはよくわかりません(笑)」。それはともかく、こちらのお好み焼きが美味なのは疑いようがない。
お客自身に焼いてもらうスタイルだが、「生地をしっかり混ぜること。鉄板に約2.5センチ厚になるように広げたら片面を5分。ひっくり返して4分焼く」のが、おいしく焼けるポイントなのだとか。
そして、こちらでぜひ試してほしいのが「海苔巻き天」だ。
海苔巻き天1520円
海苔問屋が吟味したあおさ入りの海苔でお好み焼きを包んで食べるのだが、軽快なお好み焼きが海苔の風味でさらにさっぱりで、いくらでも食べられます。
店長:佐藤辰海さん「生地、具材とも良質なものを厳選してます」
[店名]『お好み焼き辰(たつみ)』
[住所]東京都大田区西蒲田7-4-3ソシアルプラザ2階
[電話]080-6470-2656
[営業時間]17時〜23時(22時LO)、金・土、祝前日:〜24時(23時LO)
[休日]不定休
[交通]JR京浜東北線ほか蒲田駅東口から徒歩2分
【コラム】お好み焼き定食はなぜ関西にだけ?
お好み焼きをおかずにご飯を食すというお好み焼き定食。なぜか関西風の店でのみ遭遇する不思議。と、ある店主曰く「大阪人にとってソース味は何でもおかずだから」がその理由だとか。本当?
撮影/鵜澤昭彦(源亀、いまり)、西崎進也(なんばん亭)、浅沼ノア(のろ、辰)、取材/星野真琴(源亀)、編集部(いまり、辰)、井上優(なんばん亭)、輔老心(のろ)
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
※画像ギャラリーでは、絶品関西風お好み焼きの画像をご覧いただけます
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