チリンチリン、や、ミーンミーン、など夏の音が耳に心地いい季節にはお口にも、つるん、ぷるん、フルフル、といった涼を呼ぶ甘味がうれしいですね。今回は、そんな夏に食べたいひんやり和のおやつをカフェ、喫茶、甘味処まで、さまざまにご紹介。不動の老舗の味からモダンな創作菓子まで楽しくご紹介いたします。
訪れる季節の情景を描く創作和菓子『Cafe Irodori』@奥沢
清々しい水羊羹を口に運ぶと、「あ、大人の味」と思わずつぶやいた。しゅるりと舌をすべる涼菓は、ジンを象徴するジュニパーベリーの香りをまとっている。
ドライジンの水羊羹550円、和紅茶660円

和菓子作家の店主・まきのあやさんは、あるときバーで出合ったクラフトジンから、これをひらめいたという。伝統の型を尊重しながら、フルーツや洋酒といった自分らしい視点を加えて、彼女は和菓子を考える。
例えばカカオの華やかな香りとほろ苦さを閉じ込めた「カカオニブの寒天」は、寒天を切らずにすくうことで、ふるふるの食感をいっそう際立たせる。紫陽花をモチーフにしたねりきり「色づく」は、走りから旬へ、季節の歩みとともに表情を変えて登場する。
「日本の四季折々の美しさを、菓子という形に表現できたら」。
そんなまきのさんの想いが詰まった創作和菓子は、暑い午後、一陣の涼を届けてくれる。
店主:まきのあやさん「お茶だけでなく和菓子に合わせた日本酒もありますよ」
[店名]『Cafe Irodori』
[住所]東京都世田谷区奥沢4-15-13ジュネス奥沢1階
[電話]非公開
[営業時間]金・土・日:12時~19時(18時半LO)※不定期営業あり、公式SNS要確認
[休日]月・火・水・木(営業日は金~日のみ)
[交通]東急目黒線奥沢駅から徒歩約5分
日本茶と甘味が静かな和の空間に涼を吹き込む『the et soie(テ エ ソワ)』@人形町
着物がよく似合う店主の米沢美智子さんは、選び抜いた日本茶をおいしく楽しんでほしいと、手作りの甘味を添えている。
グラスに映える善哉や端正なパフェはモダンな佇まいだが、そこには手間を惜しまぬ丁寧な手仕事が宿る。特に、美しい造形に心ときめく菊花最中は、職人が焼き上げたサクサクの食感が魅力だ。
お茶とスイーツのセット1650円~、テエソワのパフェ(+1000円)
素材選びもまた、米沢さん流。「白砂糖は避けたいので」と和三盆や沖縄のきび砂糖を選んでいる。それは人柄そのままに、角のないやさしい甘さを生むのだ。なかでもあんみつや白玉に添えたきび砂糖のシロップは軽やかで、柔らかな味わいのお茶とも相性がいい。
「最初の一煎は、心を込めて淹れさせていただきます」とにこやかに話す米沢さん。
あとはポットで自由に楽しんで、というリラックスした空気感も居心地がよく、涼やかなお茶の時間を過ごせる。
店主:米沢美智子さん「メニューの茶葉も販売しています。お気に入りを見つけて」
[店名]『the et soie(テ エ ソワ)』
[住所]東京都中央区日本橋人形町3-4-3佐藤ビル1階
[電話]なし
[営業時間]12時~19時(18時LO)
[休日]月
[交通]地下鉄日比谷線ほか人形町駅A5出口から徒歩2分
季節のお菓子とお茶の余韻に心満たされる『伍(いつ)』@表参道
バーのような静謐なカウンターで、季節ごとに厳選した国産の緑茶や烏龍茶、紅茶を丁寧に淹れる店主・玉井大介さん。
この店の醍醐味は、お茶をより自由に楽しむためのお菓子とのペアリングにある。幼い頃から日本茶が暮らしのすぐそばにあったという玉井さんは、お茶の余韻をより深く、鮮やかにするためにお菓子を作る。
遊び心あふれるソーダ寒天は、シュワシュワした炭酸を閉じ込め、ドラゴンフルーツの鮮やかな赤でスイカに見立てた。
晴れに晴れ、ソーダ寒天1800円
一方、本わらび粉を練り上げた本わらび餅にはレモンピールを忍ばせている。これが爽やかな香りのお茶と出合うと、互いに共鳴するのだ。それはまるで、お茶の可能性を引き出すための愉快な実験のよう。
お茶は三煎、その度ごとに淹れ方を変え、ドラマチックな表情の違いを楽しみ、お菓子と共にお茶の新しい扉を開いている。
店主:玉井大介さん「お茶の飲み比べや季節のコースも楽しめますよ」
[店名]『伍(いつ)』
[住所]東京都港区南青山3-14-4・2階
[電話]なし
[営業時間]12時~19時※不定期で延長あり
[休日]月
[交通]地下鉄千代田線ほか表参道駅A4出口から徒歩7分



































