「つけ天そば」をいざ、実食
ツユにつけた天ぷらをかじる。
「ザクッ! ザクッ! ザクッ!」。
口腔内で音が響きわたる。霜柱を踏んだような音である。
その音に、心地よい歯応えに、歯が喜ぶ。音に煽られて、食欲が増す。
玉ねぎやにんじんの甘みを、味わいながら、「ザクッ! ザクッ! ザクッ!」。
三つ葉の爽やかな香りを感じながら、「ザクッ! ザクッ! ザクッ!」。
こりゃ楽しい。
箸が止まらない。
軽快な音を立てながら、蕎麦をたぐる。
天ぷらが人気で、次々と売れ、滞ることがないから、衣が湿気ずにいつも元気なのである。
改めて思う。
衣が元気な天ぷらは活気があって、食べたぞぉという満足感を運んでくる。今回は季節の三つ葉だったが、次回は何にしよう。
もう食べ終わる前から、次回が楽しみになってくる。
次は、まいたけ天やエビ天もいいな、いやちょいと下品な紅生姜天にしようか。
食べ終えた人たちが、どこかにやけているように見えるのも、次の天ぷら作戦を練っているのからではないからだろうか。
■『そば処 おか田』
[住所]東京都中央区日本橋小伝馬町13-6
[営業時間]7時〜9時、11時〜14時半
[休み]土・日・祝
[交通]地下鉄日比谷線小伝馬町駅1番出口から徒歩2分
取材・撮影/マッキー牧元