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本誌『おとなの週末』の連載『往復書簡』でもおなじみ、タベアルキスト・マッキー牧元さんの「立ち食いそば」連載。第6回は秋田駅の駅そば店へ。地元民でなければ、馴染みがない? 「ぎばさそば」を食べました。

食感が心地よい「ぎばさそば」

ぎばさ

なにか怪獣の名前のようだが、海藻のことである

海藻のアカモクを、秋田の人はこう呼び、愛しているのだという。 

秋田の駅弁屋、『関根屋』が展開する駅そばの店『しらかみ庵』には、「ぎばさそば」がある。これはどうあっても頼まなくてはいけない。

『しらかみ庵』
『しらかみ庵』

そこで温かい「ぎばさそば」を頼んだ。

「ぎばさそば」(660円)
「ぎばさそば」(660円)

まずツユをひと口飲む。甘めのツユである。

次にぎばさと蕎麦をひとすすりする。ぎばさのぬるぬるが蕎麦と一体になって口元に登ってくる

ぬるぬる、ずるずる、とろんとろん。

ぎばさの粘りが、唇、歯、上顎、舌、喉を通過していく。その中を細い蕎麦が通り抜ける。

この食感が、心地よい

最近、人間は粘るものに対して、おいしいと感じるセンサーがあると発表されたらしいが、まさにそのセンサーを刺激しているではないか。

ぬるぬる、ずるずる、とろんにハマり、一気に食べ終えた。しかし丼の底には、食べ逃したぎばさと蕎麦の破片が残っている。

これを最後にずるると飲む。するとまたあの心地よい粘りが口を満たし、笑ってしまうのだった。

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マッキー牧元
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