大きな跨線橋が見えた!
降りたはいいが、自分が今どこにいるのか、「小島新田」の駅がどっちの方角にあるのかちっとも分からない。スマホを取り出し、地図アプリで自らのいる位置を確認する。どうやらあっちの方らしいぞ。バスで走って来た道--国道409号を渡り、首都高の高架を潜って反対側に出る。そのまま、目の前の路地に入って先へ進みました。
右手はマンションらしい建物があり、住宅街みたいだけど歩いてて左手がどうにも気になる。高い塀がずっと続いていて視界が効かないのだ。この塀の向こう、もしかして線路なんじゃないの? 鉄好きの血が騒ぐ。
しかし小島新田に至る京急大師線は、こんな方向には走ってない筈だ。じゃぁこの線、何なんだろう?
やがて前方に、大きな跨線橋らしき構造物が見えて来た。あの上からならこの塀の内側が覗ける筈。ワクワクしながら先へ進む。
すると、跨線橋の足元、歩いて来た路地のすぐ右手が「小島新田」の駅でした。いかにも「終点」らしい駅で、線路は島式(しましき)ホームを挟んでぷっつり行き止まり。降りた乗客はそのままホームを進み、改札を抜けて外へ出て来る、という構造でした。
改札を出て右手に折り返し、線路沿いに戻る方向の路地に小さな商店街が形成されてました。エスニック居酒屋がランチ営業してるみたいで、ここで食べるというテもアリだな。店の選択肢が生まれたことで、ホッと一息。
川崎貨物駅の広大な操車場
さぁ心に余裕ができたらいよいよ、あの跨線橋だ!
線路の反対側に渡り、跨線橋の上り口に達す。かなりの幅の橋が、駅のすぐ横から上り坂になって伸びてました。大きな橋だから車も通るのかと思いきや、歩行者専用だった。
さぁ橋を上って中央部に至る。思った通り、橋が跨ぐのは線路で、これは東海道貨物線でした。川崎貨物駅のヤード(操車場)になってて、線路がいくつにも分岐して眼下に広がってました。都心近くにこんなに広い貨物ヤードがあるなんて、他にはJR南千住駅の脇のところくらいしか思いつかない。
遠くの方には煙を吐き出す煙突が見えた。あれ、何かの工場なんでしょう。さすがは京浜工業地帯のど真ん中。材料を運び込み、製品を運び出す。貨物線のニーズはいくらでもあることでしょう。北の方角を向くと、多摩川を潜って東京方面へ行くトンネルや、工場街の中心部とを結ぶのであろう、右手に大きく曲がって行く線路などが見えた。
いやぁこれはいい景色だわ。一日中、眺めていても飽きることなんてあり得ない。
ただ、そういうわけにもいかない。「バスグルメ」なんですからね。鉄路の魅力にばかり浸っているわけにはいかない。