『桂花』 @成城学園前 黒酢の深い酸味とパンチある辛みが絶妙な上質な旨さ! 酸味入り辛子つゆそば。都内で3本の指に入ると言われる人気の酸辣湯麺だ。昭和60年オープン。上海、広東、四川を中心に中国各地の料理を出す同店では、…
画像ギャラリー肉や海鮮とたっぷり野菜をとろみでまとめた「あんかけラーメン」。具材の旨みたっぷりのあんはラーメンのフタにもなっていて、いつまでもハフハフの熱々が食べられる冬にこそ真の魅力を発揮する一杯です。口の火傷に注意しつつ、いざすすらん!
『中華タカノ堀切店』 @堀切菖蒲園
もやしたっぷりのやさしい旨さに身も心もとろとろ!
おいしいものは時にシンプルだ。凝った具材を使うでもなし、SNS映えを狙うでもなし。餡の味付けは基本塩コショウだけ。けれど心惹かれるのはスープに鶏、豚、牛とトリプルのダシで深みを出すとか、さりげなく自家製麺を使うとか、味を支える愚直な仕事があるから。
餡のとろみ加減もまた絶妙で「とろりと食べやすくなるよう、やや緩めに仕上げています」とは星野店長。
もやしそば 750円
やさしい旨さにグッとくるが、一味入りの自家製ラー油を入れるとピリッと締まってまた惚れ直す。品書きを見ればラーメン500円、餃子300円という値段にも惚れ惚れ。庶民の胃袋を支える店は、地元のヒーローのような存在なのだ。
[住所]東京都葛飾区堀切5-3-2
[電話]03-3690-0945
[営業時間]11時半~15時半、17時半~23時(22時20分LO)
[休日]火
[交通]京成本線堀切菖蒲園駅から徒歩1分
『YOKOHAMA 中華そば かみ山』 @経堂
分厚い旨みで最後まで熱々!クセになる味わい
実家が町中華で子どもの頃から手伝っていたという店主の神山さん。老舗ラーメン店での修業も経て、昔から大好きだったタンメンや五目そばに専門店寄りの技をハイブリッド。開発したのがこのサンマーメンだ。
中華鍋で炒めた野菜と中国醤油を使った甘みと香ばしさ。スープの分厚いコクと旨み。そして浅草開花楼謹製の麺が旨い。中太で餡とよく絡み、小麦の甘みを感じさせ、最後までダレることがない。
サンマーメン(トッピング入) 1100円
とろみ強めの餡の中には、シャキシャキしたもやしやにらの風味、木耳、たけのこ、キャベツ、バラチャーシュー…。最後に回しかけた鶏油ベースの香味油が蓋をして最後の最後まで熱々。満足感いっぱいだ。
[住所]東京都世田谷区経堂5-29-21
[電話]非公開
[営業時間]11時~16時半(16時LO)、土・日・祝11時~15時半(15時LO)
[休日]不定休(SNSで確認を)
[交通]小田急線経堂駅南口から徒歩6分
『珍来 公園前』 @新高島平
ぷっくりとした大粒のアサリがどっさり!
昭和51年から続く同店で35年前に店主の山道さんが始めたのが人気のあさりラーメンだ。カンカンと中華鍋を振る手つきはお手の物。大粒の生のアサリをたっぷり使い、油に入れて火を通す。ジュワワワと音が変わる、この火加減がポイントらしい。
ぷっくりと口を開けた殻付きのアサリが見るからに旨そうだ。豚と鶏のガラを使い、濁らせないように弱火でていねいに炊くスープ。角の取れた旨みのある醤油を使う。
あさりラーメン 803円
とろみのあるスープをひと口啜ると、アサリから放出されたダシとも相まってなんとも言えないコク深さ。よく絡んで啜りやすい中細の麺もぴったりだ。餡の中に入るにらの風味、玉ねぎのシャキシャキした食感もよし。
熱々を夢中になって食べると横に山となるアサリの殻の多さにもびっくりするはず。満足度も食べ応えも十分。醤油味が基本だが、実は味噌味、塩味を注文することもOK。う~ん、味噌も食べたい!
[住所]東京都板橋区高島平7-18-3
[電話]03-5997-7477
[営業時間]11時半~14時、17時半~20時
[休日]水
[交通]都営三田線新高島平駅から徒歩5分
『桂花』 @成城学園前
黒酢の深い酸味とパンチある辛みが絶妙な上質な旨さ!
酸味入り辛子つゆそば。都内で3本の指に入ると言われる人気の酸辣湯麺だ。昭和60年オープン。上海、広東、四川を中心に中国各地の料理を出す同店では、開店以来化学調味料を使わず、体にやさしいものを提供している。
大切にしているのは「ていねいにいいダシとスープをとること」だ。このラーメンも然り。昆布とカツオ、貝柱などの魚介と、鶏・豚ガラを合わせたスープはすっきりした中に深い旨みを湛えている。きれいな麺線とラー油の赤、ねぎの緑が映える。
酸味入り辛子つゆそば(酸辣湯麺) 1320円
はしづめ製麺のオリジナルという細めのストレート麺をほどよいとろみとともに啜り上げると、白黒のペッパーの風味と黒酢を使った旨みのある深い酸味、ほどよくパンチの効いたそのバランスが絶妙だ。餡の中には、椎茸、中国春雨、木耳、鶏肉……。旨みがきれいに詰まって、熱々の中にもじんわり体に染みていくような品のいい美味しさ。これはクセになる!
[住所]東京都世田谷区成城6-4-13 成城フルールビル2階
[電話]03-3483-8581
[営業時間]11時半~15時(14時LO)、17時~21時(20時20分LO)
[休日]無休
[交通]小田急線成城学園前北口徒歩1分
『中華風家庭料理 ふーみん』 @表参道
立ち昇る香りと旨みのハーモニー ごちそう感いっぱい
湯気と一緒に上がってくる香りのよさがたまらない。ごちそう感あふれる五目うまにそばだ。昭和46年の開業以来、3~4世代通う人もいる同店の変わらぬ信条が「食で心を癒すこと。そのために手作りにこだわっている」と、教えてくれたのは料理長の白井次男さんだ。
たっぷりの鶏ガラと丸鶏が活き、豚ガラ、昆布も使って仕込まれる透き通ったスープが全体を支える。上にのるあんの調理は手際のよさが命だ。
五目うまにそば 1900円(平日昼1700円)
油を通さず強い火力でさっと炒めるからこそ野菜にシャキシャキ感が残る。あんの中には、エビ、イカ、ホタテ、豚肉、干し椎茸やシメジ、木耳、タケノコ、白菜、にんじん……。どれも存在感があって、各具材からの旨みが感じられる。
ごま油や自家製ねぎ油の香りも鼻腔をくすぐる。歯応えのあるかなりの細麺をツツツとすすると、そこにさまざまな旨みが絡んでくる。熱々を感じながら最後まで旨みのハーモニーを楽しみたい!
[住所]東京都港区南青山5-7-17 青山小原ビル地下1階
[電話]03-3498-4466
[営業時間]11時半~16時(15時半LO)、18時~21時半(21時LO)
[休日]日・祝、第1・3月
[交通]地下鉄千代田線ほか表参道駅B1、B3出口から徒歩5分
『寿福』 @自由が丘
コショウが効いた餡がとろりと絡むヤミツキになる味
地元じゃ名の知れた行列店。一番人気のレバニラ炒めは町中華のそれの最高峰レベルだと密かに思っているのだが、定番の「あんかけもやしそば」も冬の大本命だ。
醤油味のスープにたっぷり浮かぶモヤシとニラ、箸を入れると太く長くコシのある太麺にとろんと絡み、小気味いいコショウのパンチが舌に広がれば……にやりと口角が上がる。うーん、やさしいだけじゃない、パシッと輪郭があるおいしさというのかなあ、味の匙加減が素直にすごい。
あんかけもやしそば 900円
そんな一朝一夕にできない旨さは調理に使う醤油も味噌も全て自家製という手間を惜しまぬ姿勢から。創業66周年、2代目の池田さんが先代の教えを頑なに守っている。早朝からの準備はもちろん、休みの日も仕込みで店に通う忙しさ。
なのに「当たり前を当たり前に続けるだけ。お客さんが喜んでくれるから大変とは思わなくなったね」。生き様がそのまま味に。食べればわかる。
[住所]東京都目黒区緑が丘2-6-15 繁栄ビル1階
[電話]03-3717-4150
[営業時間]11時~13時半LO、17時~19時LO ※売り切れ次第終了
[休日]日、他月2回不定休
[交通]東急東横線ほか自由が丘駅北口から徒歩7分
『中華や』 @森下
継ぎ足しで守る醤油ダレの奥深い旨み
取材日の午後、店を訪れると「今日の昼はウマニソバが一番出たよ」と店主の小川さん。あんかけ系ラーメンは王道の陰に隠れがちな存在だったりするけど、ここでは上位を争う人気メニュー。
うずらの玉子がちょこんと乗って、豚肉に木耳、白菜と具材たっぷりでちょっと贅沢な気分。ふうふうと湯気を吹きつつ挑めば、あったかくてコクのある旨みが体中に充満してくる。
ウマニソバ 830円
決め手のひとつはさまざまな野菜と調味料を加えて作る独自の醤油ダレだろう。継ぎ足しで守るそれはチャーハンの香り付けにも使う店の基本。さらに最大の要、鶏ガラや豚足などでダシを取るスープは徹底的に素材を洗って臭みが出ないよう仕込むとか。
「料理は段取りが大事」。そんな真面目な味を受け止める麺がこれまたラーメン専門店もこぞって使う「浅草開化楼」の中細縮れ。卵麺だがきちっと小麦を感じる風味は麺好きも唸るはず!
[住所]東京都墨田区千歳2-1-13
[電話]03-3633-4021
[営業時間]11時~14時、17時~21時
[休日]日・祝
[交通]都営新宿線ほか森下駅A2出口などから徒歩4分
『新珍味』 @池袋
辛・酸・香がじわじわくる唯一無二の餡!
目の前に輝く黄金の餡の海。下に潜んだ麺をがっちり掴んで持ち上げれば、餡が絡みまくってズシリと重い。安い割り箸だったら折れるんじゃないだろうか……そう、スープの上に餡が乗るのではなく、スープそのものが全部とろとろの濃厚餡。この店の名物、70年前の創業時から愛される特製ターロー麺の特徴だ。
特製ターロー麺 990円
実は初代は台湾の有名な革命家。2代目の金田さんは13年ほど前に本人(当時91歳!)に直接作り方を教わり、伝統の味も店もそのまま受け継いだとか。基本のレシピを守りつつ、現在は麺がのびにくいよう太めに改良するなどさらに旨さを追求した。
豚肉や白菜などの具にとろみを付けて卵でとじた餡は程よい酸味で、にんにくの香味も効いたバランスのいい味。後からコショウと唐辛子の辛みがじわじわやってきて、完食すれば体の芯までぽっかぽか。革命家直伝の名物麺は、冬こそ食べたいアツい味だ。
[住所]東京都豊島区西池袋1-23-4
[電話]03-3985-0734
[営業時間]11時半~23時 ※金・土は~23時半、日・祝は~22時
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか池袋駅西口などから徒歩3分
撮影/鵜澤昭彦(かみ山)、浅沼ノア(珍来、桂花、ふーみん、寿福)、小澤晶子(中華や、新珍味)、取材/肥田木奈々(タカノ)、池田一郎(タカノ、かみ山、珍来、桂花、ふーみん)、肥田木奈々(寿福、中華や、新珍味)
※2024年2月号発売時点の情報です。
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