個性豊かな味噌カツ名店はココだ!
味噌カツの発祥は戦後まだ間もない頃。牛すじを豆味噌で煮込んだどて煮に串カツを浸して食べたのがはじまりだ。その後、とんかつも味噌ダレでいただくようになり、定食や丼が誕生した。
『とん八』は他のメニューもあるものの、ほぼ味噌カツ専門店といってもよい。
名物の「味噌とんかつ定食」は、とんかつが見えなくなるほどたっぷりの味噌ダレをかけているのが特徴だ。見た目よりもしつこくはなく、味噌のコクと辛さ、甘さのバランスが秀逸。味噌の上にのる刻みネギもアクセントになり、ご飯が進む。
とんかつや昔懐かしい洋食が揃う『八千代 味清』。「名代ヒレかつ定食」は、味噌ダレが別皿で提供されるため、衣のサクサクとした食感が楽しめる。
また、味噌ダレにはたっぷりのカツオダシが合わせてあり、豚肉の旨みを引き立てる。ご飯は白米か雑穀米のいずれかが選べる他、大盛りも無料だ。
『味処 叶』は、味噌カツ丼発祥の店。天丼をヒントに、「醤油でできるなら味噌でもできるはず」と、タレに名古屋で好まれる八丁味噌を用いたのがはじまりとか。
先代の杉本利資さんは東京・浅草の出身。甘さを抑えた江戸前の味付けに慣れ親しんでいたため、味噌ダレも甘さ控えめにしたと推測できる。
名古屋駅前の大名古屋ビルヂング内にある『カツレツマツムラ』は、厳選した豚肉を低温で揚げたヒレカツがメイン。驚くほど柔らかく、肉の味もしっかり。
味噌ダレはコクを前面に出した味付けにフレンチのエスプリを感じる。ご飯や味噌汁と合わせるのもよいが、夜はワインやシャンパンとのマリアージュを楽しむ客も。
今回紹介した4軒は名古屋で生まれ育った筆者が自信を持って勧められる店ばかり。ぜひ訪れてみてください!
撮影・取材/永谷正樹
※2024年3月号発売時点の情報です。
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