最後のデザートまで、広島を満喫
料理もいよいよ最後のひと皿に。市長×市議会で今、何かと話題になっている安芸高田市で獲れた鹿を使った「鹿の野草パン粉焼き 女鹿平舞茸添え」の登場だ。
噛むほどににじむ旨みという赤身肉の魅力を讃えた鹿肉。それを包み込むパン粉がサクサクっとした軽快な歯応えとほどよい苦味と香りを、歯切れ良い舞茸の香りが森の雰囲気を添える。
三好ワイナリーの赤ワイン「TOMOE マスカットベーリーA」の果実味、軽やかな渋みも相まって野趣を感じさせながら、なんて上品!
そして甘みと香り豊かな苺のパフェで〆。大満足のコース&ペアリング。
広島県に住む人にこそ知ってほしい、広島食材の魅力
広島県の海の幸、山の幸のおいしさをいろいろ書いてはみましたが、うまく伝わっただろうか。生産者の努力が育んだ素材が素晴らしいからこそ、シェフも腕の振るい甲斐があるのだろう。
そして魚介や酒に比べ野菜や肉類はブランドがまだまだ知られていないけれど、これだけおいしいのだから、きっと広島食材を使いたいという料理人、食べたいという消費者は増えるはずだ。
ただ広島県に暮らす人たちにこそ、これら広島県の食材の魅力をもっともっと知ってもらいたいとも。特別なひと皿にばかりでなく、普段の生活の中に生かされ、次々とカジュアルなメニューが生まれてきてこそ、旅行者にとって広島県が「おいしい」という魅力に溢れた場所になるのだから。
取材・文/編集部武内、撮影/おとなの週末Web編集部