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「洗浄」「選果」「搾汁」「発酵」…工場を見学

事務棟を出て、製造の現場に向かう。敷地を進むと、いくつもの大きな屋外タンクが見えてきた。その左手前には搾汁棟がある。

巨大な屋外タンク

搾汁棟のわきには、大きなかごの中に加工用のたくさんの原料りんごが詰まっていた。1かごに約5000個、1トンも入るそうだ。土や残留農薬など汚れを落とすため「洗浄」の後、人の目や手で「選果」される。このあと、「破砕クラッシャー」を経て細かく砕かれたりんご果実は大きなローラーによって「搾汁」される。搾られた果汁は濁っているため、一晩おいて清澄化する。透明になった果汁に酵母を投入して、発酵。最終的には、酵母を取り除き、製品にして瓶詰される。

搾汁棟のわきにおかれた原料りんご
原料りんご
かごから洗浄に移される原料りんご
洗浄されるりんご
人の手によって丁寧に選果される
絞ったあとの果汁
搾汁されたあとの滓は家畜の飼料などに使われる

低温で数週間かけてじっくり発酵し、熱処理ではなく遠心分離機を使うことで、「りんごの風味」が生きてくる。

清澄化の際に用いられる「珪藻土ろ過機」が目に留まった。ろ過ドラムが回転し、真空ろ過が行われているのだという。太田豊製造第1部長から直々に説明を受けたが、こちら側に知識がないのでなかなか理解が進まない。その後、丁寧にメールをいただいた。要するに、果汁を清澄化すると、上清部分と沈殿部分(果実のパルプ分を含む澱)に分かれる。上澄みについては発酵タンク室に送られるが、下層にも果汁は含まれているため、珪藻土ろ過の工程を通して澱を取り除いて澄んだ果汁を得るのだという。

珪藻土ろ過機

ちなみに、搾汁後のりんごの滓は、家畜の飼料などに利用される。

発酵タンク室に入ると、さきほど見た屋外タンクの写真が貼られており、説明が書かれていた。「100KLタンク(10万L)1本で、ニッカシードル何本分?」。この問いに、ほんの一瞬思考が停止する。ただ、下部に別の表示で答えがあり、「50万本(200ml)」。なかなか想像できない数量だった。

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りんごの味がストレートに伝わってきた...
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おとなの週末Web編集部 堀
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