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全店実食調査!『おとなの週末』が自信を持っておすすめするお店をご紹介します。今回は、横浜市野毛のおでん店『都橋 おでん 久』です。

名料理人が生んだ端正なおでんとつまみをカジュアルに

日本料理『青柳』の店主・小山裕久さんといえば、日本料理界の重鎮のひとり。『都橋 おでん 久』は、その小山さんが料理を監修し、元料亭の料理長が腕を振るうというなんとも贅沢なおでんの店だ。ともすれば家庭料理ともいえるおでんを、小山さんはどのようにアップデートさせたのだろうか。

「『青柳』でおでんは出しませんが、まかないでは作ります。素材によってダシを変える日本料理と違って、ひとつのダシに様々な具が入るおでんは楽しい料理ですね。それだけにダシが決め手となる」という。

そのダシには真昆布、血合抜きの鰹節、アゴ、しいたけなど最高級の素材を集めた。さらに日本中から13種類もの白醤油を取り寄せ、何パターンものツユを作ってとことん研究し尽くしたという。そうして完成したおでんのツユは、クリアだがおでんの具のよさを持ち上げる力強さを併せ持つ

おでん盛り合わせ 1個410円〜

『都橋 おでん 久』おでん盛り合わせ 1個410円〜 薄味のツユは、さつま揚げなどの揚げ物の油をしっかり落として煮るので、あっさりと澄んだ味わい。玉子、こんにゃく、大きなちくわも上品な味だ。串に刺した牛すじはプルプルの食感。大津産の蓮根など、旬の野菜や種も用意されている

この自慢のツユと最もよく合うのが名物「エビ進上」だ。おでんのダシをはったお椀仕立てで登場するが、『青柳』のエビしんじょうと全く同じように作るというから、名店のDNAを受け継ぐ逸品だ。

「おでんは長く煮込めばいいと思われがちですが、それぞれの具ごとにちょうどいい煮上がりがある」と小山さん。そこを逃さず、素材の味や食感を生かすのも繊細な日本料理の技があればこそだ。

また、都橋という場所は飲み屋街・野毛の一角という土地柄。そこで「失われつつある横丁をビルの中に縦に再現してみました」と笑うのはオーナーの間部さん。ビルの上から下からを横丁気分ではしごして欲しいという。そんな現代の横丁で味わうハイレベルな和食とおでんが、この冬をもっと楽しくしてくれる。

『都橋 おでん 久』落ち着いた和モダンな雰囲気の店内

『都橋 おでん 久』

[住所]横浜市中区野毛町1-4-1 Kiara Garden Noge4階
[電話]045-325-8088
[営業時間]17時〜23時
[休日]無休
[交通]JR京浜東北線・根岸線桜木町駅から徒歩6分

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2024年6月号

撮影/貝塚隆、取材/岡本ジュン
※2024年1月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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