上品なり。エラい人が食べるような最上級バナナ
皮の薄さと色のきれいさに驚きつつ、ひと口パクリ。目を剥いて驚きの表情を浮かべる。
ウナギ「これは今まで食べたことがない。バナナ特有のイヤな香りがしなくて、ほのかに甘い香りがする」
編集E「いやぁ、見た目からしておいしそうですもんね」
ウナギ「昔、シンクロナイズドスイミングの合宿に行ったとき、部屋の前に、バナナが10何房も積んであったんだ。3人部屋だったので、ひとり約3房。これを4、5日で食べ切るというノルマがあったのを思い出したぞ。そのとき食べたバナナのブニュブニュした食感がまったくない。口の中でねちゃっとするのが多いけど、それもないし後味がスッキリしているんだよな」
編集E「それは壮絶な合宿でしたね……。ウナギ選手の根性はそのときから培われていたのでしょう。『越後バナーナ』は出荷直前まで樹上で熟成させていることで、濃厚な甘みや香り、もっちりとした食感を引き出しているそうです」
ウナギ「1本の存在感がある。トップレスラーの風格だよ。バナナはすごいんだぞ。ウエイト前に食べると体がつらないし、パワーが出るからトレーニング前に1本食べるのがちょうどいい」
編集E「越後バナーナをトレーニング前に食べるとなると、ちょっとしたセレブですね」
ウナギ「そうだな……誰か差し入れしてくれへんかな」
編集E「ひつま武士(ウナギ選手のファンの総称)のみなさま、プレゼントにぜひご検討ください」
ウナギ「フルーツでも野菜でも、最近は糖度が高く甘ければいいという風潮があるよな。でも『越後バナーナ』は『甘ければいいんでしょ』で勝負していない。めっちゃ上品。エラい人が食べてそうなバナナだ」
編集E「プロレス界でいうと、どなたですか? アントニオ猪木さん、ジャイアント馬場さんレベルですか?」
ウナギ「いや、プロレス界にはいないな。人を殴って稼ぐ人が食べるレベルのバナナじゃないよ」
編集E「いいんですか、そんなこと言って。いろんな人を敵にまわさないですか?」
ウナギ「いいんだよ。もともとウナのまわりは敵だらけだからな」
編集E「そうだ、傾奇者はそうでないと!……そういえば大事なことを忘れておりました。お店の方から皮ごと食べてほしいと言われていたのでした」
ウナギ「何、皮を食べるだと!? E、ウナを騙そうとしているだろ!?」
編集E「そんな! 滅相もありません。お店の方がオススメの食べ方として提案されているのですから、ぜひお試しください。さあさあ」