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新車の値段が年々高くなっている。円安による資材の高騰、高度な安全装置の義務化などその理由は様々だが、ユーザーにとってその痛手は大きい。そうなると手ごろな価格の「中古車」はとても魅力的に感じる。しかし、それは本当にお得なクルマの買い方なのだろうか?

売買されるほど「割高」になる中古車

中古車店の店頭に並ぶ様々な乗用車(xiaosan@Adobe Stock)

中古車の価格は、当然ながら同程度の新車に比べて安い。そうなると中古車の購入は、お金の節約に効果的なのか。この判断はユーザーの好みや車両の使い方によって異なる。

まず基本的な話として、クルマは売買される回数が増えるほど、価格が割高になっていく。売買を行う度に、業者の利益が上乗せされるからだ。

例えば新車を買って廃車にするまで使えば、利益を支払った相手は、メーカーと販売会社だけだ。ところが中古車を買うと、少なくとも中古車業者の利益が中古車価格に上乗せされる。オークション(中古車のセリ市)を経て流通した車両なら、そのコストも加わる。

この点を考えると、最もトクするクルマの使い方は、新車を買ってほぼ廃車にするまで少なくとも10年以上は乗り続けることだ。消耗品以外のパーツ交換が増えると、出費も高騰して損失に繋がるから、その直前を見極めて手放す。

そして10年以上という長い乗り替え周期を利用して、新車の購入資金を貯めておき、今まで使ってきた車両を手放すと同時に新車を現金で買う。これを繰り返すのが一番トクだ。

ちなみに以前は、安価な中古車を購入して、3年ごとくらいに乗り替える方法もあった。しかし最近は、価格が40万円以下で3年程度は使えそうな修復歴のない中古車が大幅に減っている。この状況では、例えば価格が111万9800円のスズキアルトLを新車で購入して、10年以上にわたって使うのが効果的だ。

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それでも中古車を選ぶ理由は?...
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渡辺陽一郎
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