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陵印は、多摩陵と多摩御陵が一つに

陵印は、ひとつの天皇陵に対して一つの陵印が用意されているとは限らない。この多摩陵の場合も、大正天皇の陵と隣り合わせ(右隣)に、后(きさき)である貞明皇后の陵「多摩東陵(たまのひがしのみささぎ)」があることから、夫妻仲よく一つの陵印に御陵名が彫り込まれている。このようなケースは、天武天皇、持統天皇(女帝)が合葬されている檜隈大内陵(ひのくまのおおうちのみささぎ/奈良県高市郡明日香村)も、夫婦で一つの陵印になっている。このほかにも、重祚(ちょうそ/一度譲位した天皇が再び位に就く)した天皇が2人いるので、124代の天皇に対し、御陵印の全数は93印しかない。

陵印には、右側から縦に「大正天皇多摩陵」「貞明皇后多摩東陵」と彫られている=2007(平成19)年5月7日、多摩陵墓管区事務所においてみずから押す(東京都八王子市)
大正天皇多摩陵の右隣に位置する「貞明皇后多摩東陵」。多摩陵よりもひとまわり小さく造られている=2010(平成22)年12月25日、東京都八王子市
武蔵陵墓地の総門にある陵銘板(りょうめいばん)。写真の左手奥に写る建物が多摩陵墓監区事務所=2007(平成19)年5月7日、東京都八王子市
武蔵陵墓地の周辺に設置されている観光案内板。JRと京王線の高尾駅から約1.5キロメートルの距離に陵墓はある=2010(平成22)年12月25日、東京都八王子市

文・写真/工藤直通

くどう・なおみち。日本地方新聞協会皇室担当写真記者。1970年、東京都生まれ。10歳から始めた鉄道写真をきっかけに、中学生の頃より特別列車(お召列車)の撮影を通じて皇室に関心をもつようになる。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物を通じた皇室取材を重ねる。著書に「天皇陛下と皇族方と乗り物と」(講談社ビーシー/講談社)、「天皇陛下と鉄道」(交通新聞社)など。

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