高齢者には「脳に優しいシンプル機能のクルマ」がいい理由

何年たってもクルマでドライブし、各地のおいしい物を食べたいと思う。そう思う方がほとんどだろうが、75歳以上になると運転免許更新時に「認知機能検査」を受検しなくてはいけない。それに向けての「脳活」と「高齢者のクルマ選び」を脳の専門医がご案内!!

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これから先、何年たってもクルマでドライブし、各地のおいしい物を食べたいと思う。そう思う方がほとんどだろうが、75歳以上になると運転免許更新時に「認知機能検査」を受検しなくてはいけない。ざっくりいうと16枚のイラストを約4分で記憶し、「その16枚には何が描かれていたか」を答えるという受検内容(下に出題の一部をご紹介)。高齢者にとっては正直難しい。パス(合格)するためには「脳活が有効となります」。そう話すのは、脳神経内科専門医・塚本 浩先生。ちょっとこの先の話、知りたくなりますよね。

「認知機能検査」に合格するためには「脳を自然に鍛えること」

「認知機能検査」 と同様の出題がこれ。このようなイラストを合計16枚、約4分間で記憶して「何が描いてあるか」を答えるというもの。意外と……難しい!

現在、東京医科大学茨城医療センターで脳神経疾患の専門診療に携わりながら、認知症の早期発見や予防研究も行う、脳神経内科専門医・塚本 浩先生はこう語る。

新しいことにチャレンジせず、今までと同じことばかりをして日々を過ごしていると脳は衰えてしまいます。

新たなことを始める、ということは自然と脳が鍛えられること。高齢者にとってこれは重要なことで、そのためには適度なストレスをかけてあげることです。その意味でも、脳活は重要になります。

「ここ一通ですよ!」「そんな表示、あったかのぉ」。こんな状態になる前に「脳活」をしましょう!

脳の活性化に効果的な「脳活ドリル」を日頃から行い、75歳からの高齢ドライバーにとって高い壁である「認知機能検査」に合格する!! この筋書きは大いにアリだ。

……では、どうやって「脳活ドリル」を入手する? 書店やインターネットなどで販売している「脳活ドリル本」、これを入手するのが一番の近道だろう。

高齢者へは「最新の機能満載のクルマはあまりおすすめしません」(塚本先生)

ヒョンデ・アイオニック5Nのインパネ部分。多機能満載のボタン類や表示。最新タイプだが、高齢者にとっては機能面に気をとられ、クルマの操作ミスを起こす可能性もある!

「脳を鍛える」「脳にストレスをかけてあげる」。脳の活性化についてわかりやすく説いてくれた脳神経内科専門医・塚本先生。

旅して各地のおいしい物をいただくための相棒「クルマ」。高齢者のクルマ選びについて、塚本先生の独自の考えをここでご紹介したい(『運転免許認知機能検査 完全攻略本』からの転載)。

私のクリニックを受診する高齢の方の多くは「クルマに乗らなくては生活ができない」と訴えてきます。そんな方によくアドバイスするのが、「最新の多機能なクルマに乗らない」ということです。

最近のクルマにはたくさんのスイッチがあり、ディスプレイにもさまざまな情報が表示されます。それらは便利な反面、衰えはじめた脳にとっては少々過酷……。

目や耳から情報を入れすぎると脳はパンクして運転脳が正常に働かなくなり、操作ミスの危険が高まります。高齢になったらなおさらです。

例えば、ディスプレイに情報が表示されたり、音声が流れたりするたびに気をとられて注意力が散漫になります。すると、アクセルとブレーキの踏み間違いなどの操作ミスが起きやすくなります。

……なるほど。便利機能は高齢者にとっては「危険要素」もはらんでいるということ。高齢者には「脳に優しいシンプル機能のクルマ」が最適という考え方。大いにわかる気がする!

別冊ベストカー
『運転免許認知機能検査 完全攻略本』
総合監修:塚本浩(脳神経内科専門医)
定価:本体1200円(税別)
発売日:2024年6月20日
ISBN:978-4-06-535658-6
講談社ビーシー/講談社

文:おとなの週末Web編集部/写真:Adobe Stock、おとなの週末Web編集部

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