うなぎにストレスを与えない
養鰻池のうなぎの数も重要で、養鰻が盛んな九州では、1坪あたり200尾~300尾。対して一色では、うなぎにストレスを与えず、すべてのうなぎに餌が行き渡るよう100尾~150尾と敢えて少なくしている。量よりも質を重視しているのである。
ところが、昭和50年代に外国産うなぎの輸入量が増大すると、国内の養鰻業は厳しい状況に陥った。西三河養殖業漁協は、1992(平成4)年に一色うなぎ漁業協同組合へと名称を変更し、一色産うなぎのブランド化を目指した。
「2006(平成18)年に一色産うなぎは特許庁の地域ブランド(地域団体登録商標)に認定され、一般消費者にも一色産うなぎが認知されるようになりました」(田中さん)
一色うなぎ漁協は愛知県水産試験場と共に新たなブランドうなぎ「葵うなぎ」を開発している。一般的なうなぎよりも約2倍の大きさで、新仔うなぎと同様に、身も皮も柔らかいという。ほとんど市場には出回っておらず、うなぎの出荷量が減少する秋から冬に売り出すべく量産化を目指しているそうで、実に楽しみだ。
『一色うなぎ 漁業協同組合』
[住所]愛知県西尾市一色町対米船原18
[電話]0563-72-8847
取材・撮影/永谷正樹
※2024年8月号発売時点の情報です。
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