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時代は平成に

時代は平成となり、”プリンスロイヤル”御料車も継承された。しかし、豪華な“リムジンタイプ”ということもあり、特別扱いを好まれないといわれた上皇陛下(当時は天皇陛下)のお考えにより、地方訪問で使われることはなくなった。昭和天皇がこよなく愛した御料車は、都内近郊で行われる国家行事や国賓接待という用途に限定された。

2004(平成16)年になると、老朽化を理由に製造元の日産自動車から“段階的に使用を中止”することが求められ、次世代の国産御料車「トヨタ・センチュリーロイヤル」へとバトンが渡された。”プリンスロイヤル”御料車は、誕生以来、現役を退く2008(平成20)年までの41年もの間、御料車の座に君臨し続け、その地位を確固たるものとした。

「ニッサン・プリンスロイヤル」御料車の後部座席。シート生地はウールで、小型のシートは侍従などが座るジャンプシートと呼ばれるもの=写真提供/宮内庁

文・写真/工藤直通

くどう・なおみち。日本地方新聞協会皇室担当写真記者。1970年、東京都生まれ。10歳から始めた鉄道写真をきっかけに、中学生の頃より特別列車(お召列車)の撮影を通じて皇室に関心をもつようになる。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物を通じた皇室取材を重ねる。著書に「天皇陛下と皇族方と乗り物と」(講談社ビーシー/講談社)、「天皇陛下と鉄道」(交通新聞社)など。

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