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やさしいテクスチャー(舌触り)が魅力

メディアからも多くの質問が寄せられた。主な一問一答は以下の通り。

―――販売終了の17年とテイストは違うのか
「自分が作り上げた17年と何度も飲み比べてきました。微妙ですが、新しいほうが、ちょっとだけスモーキーさは上かなと感じました。復刻された17年は、フルーティーなニュアンスが多くなっているのかな。スモークされた洋梨とかバナナとかライムとか。ちょっとしたニュアンス以外はほぼ同じ、共通点がいっぱいあります」

―――復活にあたり最も苦労された点は
「アードベッグのファンの方々がどれほど昔の17年を愛していたかを分かっていましたから。恐らく、前の17年は自分にとって2番目に好きなアードベッグでした。新しい17年にがっかりされたらどうしようという悩みがありました。ようやく、自分で納得して、これだったら間違いないと思い、リリースすることを決心しました」

―――17年の最大の魅力は?
「いいところはやさしい舌触りです。アイラウイスキーの強烈なピートの香りを、全ての人が好きではないと思います。アイラのウイスキー自体が『ちょっと怖い』という人もいるでしょう。17年は、そういう人たちのために、入門編としてアイラウイスキーを紹介するのにいいのでは」

―――アードベッグのラインナップでどう位置づけられるか
「新しい17年はけっこう高いところにきています。他が普通の(クルマの)セダンなら、2席しかないスポーツカーで、週末だけ走らせる存在かなと思います」

「アードベッグ 10年」(左)と「アードベッグ 17年」

「40度」にしたのは、昔の17年を極力再現したかったから

―――なぜ、アルコール度数を40度にしたのか
「ほとんどのアードベッグがノンチルフィルター、つまり冷却ろ過をしていません。そのためには46%以上にしなければいけない。45.5%以下になると、(液体が)かすみがかった感じになってしまうからです。最初は、冷却ろ過をせずに46%にしようと正直思っていました。社内でも46%にしてくれと言われました。ただ、前の17年は冷却ろ過をしていました。それなのに、46%にしたら比べにくくなる。自分の目的は、昔の17年を極力再現すること。シンプルに言うと同じにしたかったからです。いくつかのアードベッグのファンから不満の声が出るかもしれない。全てのファンを幸せにするのは難しいです(笑)」

―――ストレート以外の飲み方は、何がお勧めか
「お勧めはストレート。ほんのちょっとの加水だったらいいと思います。自分はハイボールの飲み方も大好きです。ただ、新しい17年の場合は、逆にお勧めできません。やっぱり、10年と比べて繊細なので、そのままストレート。もしくは、ちょっとの加水です。17年が入ったグラスに何かを入れるとしたら、17年を継ぎ足すだけになりますね(笑)」

感想を求められたボブさんも「これだけデリケートな感じなので、他のものを入れると、邪魔をしてしまう」と同意していた。

「アードベッグ 10年」のハイボール

―――17年におススメの食べ物は
「10年にはチーズ、とりわけパルミジャーノ・レッジャーノ、もしくはブルーチーズとペアリングするのが好きです。燻製された魚、スモークサーモンとか、スモークされたうなぎです。17年にはシーフードもいいし、どちらかというと海老、ホタテのほうがペアリングしやすいかな。クリーミーなチョコレートムースとか」

「アードベッグ 17年」を手にするアードベッグ最高蒸留・製造責任者のビル・ラムズデン博士(左)と、MHDシングルモルトアンバサダーのロバート(ボブ)・ストックウェルさん
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「17年には、17年」...
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おとなの週末Web編集部 堀
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