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「オールドパー」は、数あるウイスキーの中でも、日本では長く愛されてきた逸品のひとつだ。「オールドパー12年」に波佐見焼(はさみやき)のオリジナルタンブラーが付いた「オールドパー12年プレミアムタンブラーギフトセット」が発売された。もうすぐ父の日。2024年は6月16日だ。贈り物の選択肢に加えたいプレミアムなセットの楽しみ方は―――。

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18世紀から愛され続けるブレンデッドの逸品

オールドパーは、スコットランドを代表するブレンデッドウイスキーの代表的な銘柄のひとつだ。オールドパーを扱う「MHD モエ ヘネシー ディアジオ」(MHD)によると、1871年に英ロンドンで設立された「グリンリースブラザーズ社」によって誕生し、以来、世紀をまたいで各国で愛されてきた。近年も、世界有数のコンペティションで最優秀金賞を受賞するなど高い評価は揺るがない。

名称は「末永く後世に届けたいとの願いが込められて、英国史上最長寿と言われるトーマス・パーの愛称に因んだ」もの。トーマス・パーは15~17世紀、「152歳まで生きた」と伝えられているという。

「オールドパー 12年 プレミアムタンブラー ギフトセット」

作家・連城三紀彦がボトルキープした「オールドパー」

日本の著名人にもファンは多い。以前、オールドパーの記事を書いた際、2人の政治家に触れた。吉田茂(1878~1967年)と田中角栄(1918~93年)。首相だった2人が、愛飲したのがこのウイスキーだった。オールドパーは戦後を牽引した大物政治家や文化人が好んで飲んだこともあり、多くの人の“憧れのウイスキー”として認識されるようになる。

左から「オールドパーシルバー」「オールドパー12年」「オールドパー18年」「オールドパースーペリア」(提供画像)

2024年5月30日付の日本経済新聞夕刊を手に取ると、オールドパー12年のカラー写真が目に留まった。週替わりで著名人がエッセーを担当する文化面の企画「こころの玉手箱」に載っていた。5月最終週は、俳優の奥田瑛二さんが執筆しており、第4回ではオールドパーをめぐる思い出話を綴っていた。その写真のオールドパーは、作家の連城三紀彦(1948~2013年)が通っていたバーにボトルキープしていたものだという。

奥田さんにとって、連城は「やんちゃな僕を見守る兄のような存在」(2024年5月30日付日本経済新聞夕刊より)。死後、そのバーのママが、キープされていたボトルを奥田さんにあげたのだという。今では、空になってしまったが、ボトルは奥田さんの自宅に今も飾られている。

俳優でいえば、池部良(1918~2010年)もオールドパーには深い思い入れがあったようだ。終戦から間もないころ、オーストラリア軍の艦長に差し出されたことを述懐している。もちろん「うまいウイスキー」として。

戦後、目覚ましい発展を遂げていく日本で、オールドパーが“いつかは飲んでみたい”と思わせるウイスキーのひとつだったことに、異論をはさむ人はいないだろう。

「オールドパー 12年」と波佐見焼のオリジナルタンブラー

甘い香り、やわらかい

文化人、政財界の要人たちが愛した銘柄を、父の日を前に、いただく。オールドパー12年は、オールドパーシリーズの中でもフラッグシップに位置する銘酒だ。

個人的な思いだが、お酒の味や印象は、器に大きく左右される。ビールは、自宅でも缶や瓶から、必ずお気に入りのグラスに注いで飲んでいる。そのほうが、ビールの美しい黄金色や琥珀色を眺めながら、繊細な香りや泡を楽しめる。

ウイスキーも同様だ。普段は、馴染んだグラスを使ってほぼ「ストレート」で味わっている。本来の味と香り、琥珀色を確認したい思いからだ。

今回も、まずは、ストレートで。甘い香りが、鼻孔を撫でる。まさに、芳醇。口に含むと、蜂蜜を想起させるようなやわらかい甘さが口に中に広がった。とろっとして、舌にやさしくとどまる。微かに、ローストされたナッツのようなスモーキーな風味も。うん、うまい。

オールドパー12年をストレートで
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波佐見焼のタンブラーでのんびり味わう楽しみ...
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おとなの週末Web編集部 堀
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