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りんごのお酒「シードル」の日本の故郷・青森県弘前市では、先駆けとなったニッカウヰスキー弘前工場のシードル(「ニッカ弘前 生シードル」)だけでなく、さまざまな“クラフトシードル”もつくられている。近年、クラフトビールが人気だが、各醸造所が手掛ける手作り感あふれる個性的なシードルにも、熱い視線が注がれている。

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りんごのことなら「弘前市りんご公園」

JR弘前駅から西に約5km。車で20分ほど行った弘前市の郊外に、弘前市りんご公園はある。

弘前市りんご公園
弘前市りんご公園の郵便ポスト

約9.7haという広大な敷地。80種約2300本のりんごが植えられているという。公園内にある施設が「りんごの家」。品種や剪定鋏などのりんごに関することを学べる展示・学習コーナーのほか、お菓子やジュースなどりんご関連のこだわりの商品を扱った物販、軽食・喫茶コーナーが人気だ。このほか、岩木山を一望できる「すり鉢山展望台」、市文化財の「旧小山内家住宅」、芝生が広がるピクニック広場やふれあい広場など親子連れも楽しめるスポットとして親しまれている。

りんごの品種の展示
剪定鋸の展示
剪定鋏の展示
「ふじ」の準原木

もうひとつ大切な要素がある。シードルだ。りんご果汁を発酵してつくられ、一般的には、りんごのスパークリングワインのこと。日本のシードルの製品化は、ちょうど70年前の1954(昭和29)年、弘前市で始まった。そのシードル製造の源流をニッカウヰスキー弘前工場が受け継ぐ。

シードルに関する展示

りんご公園の物販コーナーでは、弘前市内のクラフトシードルが並んでいるが、実際にシードルがつくられている醸造所が公園内にある。「弘前シードル工房 kimori」のことだ。

弘前シードルの醸造所の紹介展示

りんご公園内にある醸造所「弘前シードル工房 kimori」

代表を務める高橋哲史さん(50)は、りんごの農園経営者でもある。自らの農園で収穫したりんごのうち、傷がつくなどして生食用に回せないものを使って、シードルをつくっている。2014(平成26)年に設立。今や年間2万本(750mlと375ml)を製造している。

「弘前シードル工房 kimori」

醸造所は、白い三角屋根が目を引く、アートの展示施設のような洒落た外観だ。工場見学や有料試飲もできる。実際に、中をのぞくと、こぢんまりとした醸造設備がガラス越しに見ることができた。商品は、「りんごの家」の物販コーナーでも購入できる。

「弘前シードル工房 kimori」の醸造設備

kimoriシードルは、無濾(ろ)過二次発酵方式。「人工的に炭酸を充填せず、タンクを密閉して二次発酵させることにより、発酵時に発生する炭酸をそのまま果汁に溶け込ませる自然な製法で、舌触りの良い優しい炭酸が特徴です。果実感を損なわない無ろ過ならではのぬくもりある味わい」(同社資料より)が特徴だ。

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おとなの週末Web編集部 堀
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